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ビジネスマンの転機は10年周期?

デザイン経営時代のブランディング 「教えるセンス」を身につける

福田:それで、32歳でアクセンチュアに転職されたと。そこからの新しい空気はどうだったんでしょう? 成功だったというか、よかったですか?

三谷:もちろん究極はわかりません。「あのままBCGに残っていたらどうなったのか」なんてわからないから本質的に比べられないし、意味がないですよね。ただ9年半在籍してBCGも大分知られるようになり、私もそれなりのポジションにもなっていましたが、でも結局BCG東京を作り上げてきたのは私のの上司たち。当時トップだった織畑基一さんや堀紘一さん、井上猛さん、内田和成さん(現BCG シニア・アドバイザー)らです。私も一兵卒ではあったけれど、それ以上ではない。でも転職のお誘いがあったとき、アクセンチュアでは「戦略グループがまだ立ち上がったばっかりで…」ということでした。

福田:ゼロからというのが、また面白いかもしれないですね。

三谷:同じ経営戦略コンサルティングチームの立ち上げを、今度は自分が責任者に近い立場でやれる、というチャンスに「それはちょっと面白いかもしれない」と感じました。でも、そのときの上司に伝えてすぐいわれたのが「お前、そういうの好きなのか? 嫌いだろう?」と。「たしかに、嫌いです。人がどうこうとか、組織を作るとか、そんなに好きな訳ではないです」と答えました。

福田:リーダーとなったら、組織を作るところまでやらなきゃいけないですしね。

三谷:ええ。そして一人一人のマネージメントみたいなこともしないといけない。好きか嫌いかでいったら、そんなに好きではないし、かつ得意でもない。でもBCGにいたら、そういうことが得意な人たちはいくらでもいるから、自分には永遠にその機会はない。だから一回よそでやってみようかな、「いってきまーす!」みたいな(笑)

福田 機会が来たからそれに飛びついた、ということですね。

三谷:その通り。それからまた、アクセンチュアで2006年までの10年間、コンサルタントをやりました。

福田:その周期、僕と全く一緒です。ソニー・ピクチャーズエンタテインメント社に10年くらいいて、ソニー・デジタルエンタテインメント社を創業して10年後に独立したので。転機というのは、大体10年周期で訪れますよね。

三谷:私は「コンサルティングはあと10年。40歳で辞めよう」と、30歳のときに決めたんです。ある夜、同じぐらいの年齢の同僚と話をしていて、「オレたちは、たぶんどこでも生きていける」と。どの会社に入ろうが、どんなポジションであろうが、きっとやることは一緒だなと。

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