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これから来るのは「出版」と「ラジオ」

発想の原点は、「構造を見る」ということ

福田:僕はむしろ、コロナだからできるビジネスは何だろうと考えました。それでオンラインエンターテイメントサービスを始めて、のん音楽ライブや渡辺えりの舞台など60本以上を配信しました。やりはじめた2020年4月当初「こんな悲惨な時期に有料でオンラインライブをやるのか」と非難されることもあったのですが、何か新しいことをやっていかないと生きていけないから、その芽は作ろうと思って。 で、これから来るのは、僕はラジオと出版だと思っているのですね。なぜなら余暇がすごく増えるから。イギリスと日本の調査ですが、コロナ以降の読書量はイギリスの方が10倍以上になって、日本は4倍ぐらい。Kindleも含めての数字ですが、こんなに本を読まない日本人がね。だからあれだけ孤独になるということは、「コミュニケーション量が減るから、出版だな」ということで出版事業を始めたのです。ラジオについては、今年に入ってからClubhouseやVoicyが出てきて、“ながら”で聴くという習慣ができつつありますよね。今、民放でやっているラジオ局も、変革期を迎えているのかなと思います。

白河:エンタメこそオンラインに商機があるでしょう。今BTSにハマって「DX」を体験中です。ラジオも古い業界なので、radikoができても、コンテンツや仕組みは変われるようでなかなか変われないですね。

福田:変わらないですね。ただ、YouTubeをみんな映像ありで観ているかというと、音で聴き流している人が3割ぐらいいるんですよ。先ほど言ったClubhouseやVoicyもありますしね。実は「目」からの情報を得ることについては、もう限界があるけれど、「耳」から音を聴くことに関して人間は、100年ぐらい鍛えていなかったんですよね。でも鍛えると、耳の活用ができるわけです。ところが地上波ラジオのパーソナリティーにも「サラリーマン化」が起きていて、20年以上ずっとやっている人が多い。長くやっているから駄目というわけではありませんが、例えばYouTuberが地上波ラジオ番組を持つのもいいのではないかと思います。

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