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お寺社会はエリート社会

お寺が改革する”デジタル・ウェルビーイング”の世界

福田:以前、両足院の成り立ちをお話してくださったのですが、ものすごく面白かったです。昔、僧侶は結婚できなかったから、ヘッドハンティングで選んでいたっていう。それはどういうことだったんですか。

伊藤:それは「お坊さんになりたい」という人が多くいた時代ですね。今のように職業が多様ではなかったし、挑戦したけれどもその価値観ではうまくいかなかったという人の受け皿に、お寺はまずなっていたわけです。弟子になって、仏教という道を生きて、悟りを目指そうという中で修行して、優秀な人材が跡継ぎに選ばれる。要は住職が選ばれる形だったんです。

福田:選抜されたエリートがお寺の世界を作っていたことを知らない人は多いと思うんですよ。

伊藤:さらに言うと、この建仁寺全体の中での住職に選ばれるような人は、本当にヘッドハンティングなんですよ。

福田:スーパーエリートでしょうね。

伊藤:はい。中国で活躍されたあの方とか、鎌倉で活躍したあの方に来てもらいたい、という。来ていただいて、任期も短いんです。長くて4年とかですよ。その方が来て教えをくださって、また転々とされたり、中で隠居暮らしをしてくださいという形でできたのが、両足院とか塔頭と呼ばれる、大寺院の中にある小寺院です。  また、こういう大きいお寺の中の小寺院であっても、また弟子がたくさんいて、その中からまた弟子が選ばれていきます。結婚も許されていませんから、そこで切磋琢磨する。両足院でいいますと、息子が継いだというケースは、祖父の代からです。先代住職からは、こうやって伊藤が住まわせてもらいながら、継がれていくんだろうなとイメージになりますけど。今はお寺全体も少子化ですし、男性優位といいますか「僧侶は男だけ」というジェンダー問題もありますよね。息子がいないとどうなっちゃうの?みたいな。繰り返しになりますが、昔は「僧侶になりたい」という人が大勢いたということです。

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