クラウドファンディング総まとめ[後篇] | Talked.jp

Talked.jp

クラウドファンディング総まとめ[後篇]

企業理念を実現するCSRとして活用!

福田:今の話からいくと、山本さんに「プラットフォームのつくり方を教えてください」という企業の皆さんの戦略は、どこにあるのでしょう?

山本:一つはクラウドファンディングが今後、マーケティングツールとして来るだろうと思われている。あとは自分たちの会社がたくさんの会員をお持ちで、彼らのためにプロジェクトをやろうという。ある程度、自分たちがコミュニティーを持っている会社さんとか。あと面白いのは、CSRという企業の社会貢献の一つの在り方として、クラウドファンディングのプラットフォームをつくれないか、と考えているところも結構あると思います。

福田:CSRで使うというのはどういう企業のブランディングとしてということですか?

山本:例えば、今の企業のCSRって「1億をここに寄付しろ」という、桁が大きいものが多いと思うんですけれども、そうじゃなくって、もっと小中の企業さんとか、NPOとかがちょっとずつ渡すような仕組みがリスクなくできるんじゃないかと。CSRとしてクラウドファンディングのプラットフォームをつくりたい、と。その場合、事業としてのもうけはあんまり考えてないんですよ。

福田:それは面白いですね。その会社の商品やサービスが好きだという人に対して、何かリワード、例えば、「じゃあ、現地の工場で作っている有機野菜のドレッシングをあげます」とか。企業の中身を知るストーリーとして、クラウドファンディングを使うのは、企業にとっても新しいかもしれませんね。つまり、クラウドファンディングでは必ずしも「個人」対「企業」ではないということなんでしょうね。

沼田:実際、うちの例だと、フィアットグループがまさに山本さんがおっしゃられたように、CSRとしてのプラットフォームパートナーとして出店されています。そもそも年間50~200万ぐらいずつをいろいろなNPO普通の支援をしているそうなんですけど、支援していること自体が実は知られていない。そこで支援先にNPOにクラウドファンディングへの挑戦を提案し、フィアットグループの支援をソーシャルメディア上で可視化していく狙いを持たれています。各NPOサイドとしてもフィアットグループが手数料を1円ももらわないので、相当安い手数料で起案ができる。まさにwinwinの仕組みを作られています。

福田:リーズナブルですね。

沼田:ただプロジェクト起案は誰でもできるわけじゃないんです。フィアットグループが認定したNPOだけ起案が可能です。フィアットオーナー向けのメールやSNSなどを通じて各プロジェクトに支援を呼びかけるんですが、結構、そこから支援入ってきたりしています。

福田:だから物を持つ喜びから、思っていることの共有意識でお客さん同士をつなげて、さらに企業理念を実現するために活用しようと。フィアットさんの事例、素晴らしいですね。