SNSを活用して、人に夢を与えるモデルになれ 実業家 福田淳@第1回サトルジャパンSNS講座【後編】

講演後、参加モデルたちからサプライズ誕生お祝いをされる講師

姿形だけじゃなくて、内面も含めて美しくあれ

最後に一言。皆さん、どうしてモデル業界にいらしたのでしょう? 恐らく、僕が14歳のときに映画監督になろうと決心したのと同じようなモチベーション、つまり、人とは違うキラキラしたようなことで、誰かを楽しませたり、笑わせたりしたいと考えたからだと思うんです。それができる人っていうのは、幸せなんですよね。僕、今、いろんなNPOやってるんですけど、そのことを痛感させられることがあるんですよね。例えば、インドで朝から晩まで窓のない所で洋服を作らされてる子どもが、国連に連れて来られた時に、同じような恵まれたイギリスの子どもに、「君は何の仕事やってるの」って聞いたんです。そのことに、僕は衝撃受けました。同じ人として生まれても、笑顔もなければ、幸せになれない人もいっぱいいるんです。でも、僕らはなぜか恵まれて、好きなことを追求できる環境の中にいると。

いろんな環境の違いは多少あるかもしれませんけども、モデルさんって、英語でBeautiful people、Beautiful personと言うように、姿形だけじゃなくて、自分の生き方とか、内面含めて本当に美しいっていうことを体現していかなきゃいけない仕事だと思うんです。嫌なことや、うまくいかないこともあるかもしれないんだけども、できるだけ好きなことを見つけ、それをやることに集中してほしい。それが合わないなと思ったらやめても構わない。途中でやめていいって教えてくれる大人ってあまりいませんよね。僕なんか飽きっぽいから、「これ、もう飽きたら、やめます」って何度も言ってきたけれど、大体、先輩に呼び付けられて、「おい、ちょっと座れ。石の上にも3年だ」とかお説教される。「石の上に3年なんて無理。持たないと思います。だから、嫌だ」と言って、僕はすぐ、何でも投げ出してきたんですけど。

でも、ぎりぎりビジネスマンとして、人として、こうやって皆さんの前に立って話せるということは、ある程度許されてるっていうことだろうから、やっぱり好きなこと追求するのにルールはないんですね。友達の言うことは聞いてもいいんだけど、受け入れなくていいというのが僕の考え方です。だから、ソーシャルメディアは別にただのアプリのことで、たまたまインターネットの時代に、1995年にインターネットが発明されて、2011年に震災が来て、ガラケーからスマホに代わって、ここにいるだけの話で、これからAIになるのか、ロボットになるのか、ドローンになるのか、さっぱり分かりませんけど、たまたまインターネット革命の中に生きちゃったんですよ。

これが僕らが1900年に生まれてたら、農業革命の中に生きてたんですよ。こないだ、アメリカに行って、フィーチャリストの経済学者が面白いこと言ってて、1900年のアメリカの地図の中で農業に従事している人は86パーセントいたんですね。何倍もの穀物が作れるようになった現代の2000年に農業従事者が何パーセントいるかっていったら、全人口の中の0.2パーセントしかいなかったんですね。みんな、もう既に機械に取って代わられてるんです。

だから、今、スマホだ、人工知能、AIだ、いろんなこと言われてるわけですけど、じゃあ、人間の仕事って取って代わるのかっていうと、ある種の仕事はなくなると思うんですけど、僕らはより知的なところにシフトしていってると思うんですよ。その一番知的なものっていうのは、ロボットでも代替えが利かないような、愛することだとか、好きなことだとか、非常に人間的なことだと思うんですね。

モデルさんっていう仕事自体はやっぱり、人に夢を与えることなんで、そういう夢の与え方が自分の存在以上になれるように、こういうツールを活用してできれば、僕は面白いかなと思います。というわけで、きょうの遠大なタイトルに対して、それに見合う中身だったかどうか分かりませんけど、僕の話はこれでおしまいです。ありがとうございました。