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日本のエンタメ界は窮屈!

LGBTQに挑む、プレイメイトのチャレンジ Talked.jp

福田:僕最近、芸能のことでメディアに出る機会が多いので、改めて考えるんですけどね。日本のテレビを見ると、ドラマと男性アイドルタレントの下手な踊り、音楽と、芸人さんのバラエティ、この3つしかない。ドラマは忖度だらけで脚本に見合ったキャスティングができてないし、そもそも事務所に脚本まで変えられちゃう。アイドルグループたちの歌も踊りも、オフブロードウェイの一次オーディションまでいけば良い方っていうレベル。お笑いは、内輪ネタが中心で、合コンネタみたいなつまらない話のオンパレード。アメリカのスタンドコメディは、政治や経済のこともちゃんと笑いにできる卓越した能力がないと、テレビにはでられないです。
韓国コンテンツが何でウケるかって言ったら、フランス並みに国のバックアップがある上に、事務所の姿勢がちゃんと国外にも向けられているから、グローバルな相手でも交渉も契約もできる。中国のテレビでは普通に韓国ドラマ放映されているけど、日本のドラマなんてみたことないです。インドネシアの街で、ケータイの着メロにK-POPが流れていたのを聞いたときは驚きました。それくらいグローバルにやってる。 だけど今の日本だと、名前が全然知られていない原作者と付き合うとか、放送作家を生み出すとか、そういう努力を全然していない。何十年経っても、特別番組の原作は松本清張ですよ。だからNetflixが日本の優れたアニメプロダクションとどんどんグローバル契約してしまい、テレビ局は放送権をとられたことにも自覚がない。Netflixは今、実写でちゃんと制作費を拠出して『全裸監督』を作りましたよね。こんな本格的なドラマ、久しく日本の地上波で見てないですよね。

万美:本当にそうですよね。

福田:ちゃんとしたセットでちゃんと予算をかけて、本格的なドラマを作ってる。「Netflixはネットテレビ局だからすごい」って言う人がいるんだけど、関係ないですよ。僕は、Netflixを見ていて、とてもサンフランシスコ的だなと思うんです。ハリウッドって白人至上主義だから、だんだんつまらなくなってきた。先日、映画「ブラックパンサー」で黒人主役の映画が急に大ヒットしたからって、「これからは黒人映画だ」って、次の”007”は黒人女性がボンドになっちゃうって騒いでるわけ。
ところがNetflixは、普通にアジア人のいじめっ子がいたり、レズビアンのCEOがいたり…いまのアクチュアルな世の中を描いてる。だから、世界中の視聴者に支持されるんですよ。日本はもっと、そういうマーケットを見ないといけない。

万美:ホントそうです。その日本のエンタメの窮屈さの中で悩んでいた自分が、本当にバカらしく思えてきたんですよ。それまでは仕事の取り方も、「権力のある人の所にうまい感じで行けばいいのに、おまえはそれをしない。だから下手だ」って言われたんですけど、よく考えたら「いや、私は間違ってないし、おかしいのはそっちだ」と思って。

福田:うん、そうですね。

万美:べつに自分が面白くないと思う番組には出たくない。そう思い始めてからは、すごく楽になりました。「あれ? 何で私、心折れてたんだっけ?」みたいな。今まで言われてきた言葉も、痛くもかゆくもなくなってきて。

福田:そこに分岐点があったんですね。「業界ルール通りにしなきゃ」と思ったら、一気に洗脳されちゃう。業界の中で生きるために、しがみつこうとする。僕なんかも業界のルールに従って、「ハハー」ってやってたら、よかったかもしれない。でもやっぱり、それはできないからね。何か違うと思う。 それに、例えばニューヨークに行って感じるものがあるとか、北京に行って感じるものがあるとか、そういう感覚を持ってる人はリベラルにならざるを得ないですよ。世界を見てるっていうことは、そういうことだと思うから。最近よく思うんですけど、中国人と韓国人のベストフレンドがいたら、その国のことを嫌いになれない。だから、行ったこともないのに文句ばっかり言ってるのは、視野が狭いですよね。視野の狭い集団の中にいると、万美さんの中学生時代じゃないけど、「ピアスなんかして派手じゃないの?」とか、そういう狭い中でのルール作りになっちゃう。だから世界を知るべきだし、この世界が全部馴染まないんだったら、火星か土星か月に行ったほうがいいよね。

万美:そうですね(笑)。うん、本当にそう思って、そこから私、地上波のテレビを見るのをパッタリやめたんです。

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