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石の上にも三年…後に見えたもの

音楽シーンにイノベーションを起こそう!~AI作曲SOUNDRAWの可能性  Talked.jp

福田:大学は大阪ですか? 東京?

楠:京都です。立命館ですが、京都といっても僕のいる理系の学部は滋賀のほうでした。

福田:楠さんは、理系だったのですね。

楠:はい、僕はこう見えて理系なんです。卒業後は「椿本チエイン」という、チェーンばっかり作っているメーカーに入社しました。

福田:チェーン?

楠:チャリのチェーンです。

福田:チェーンね! 僕は今、仮想通貨の関連かと思いました。

楠:ブロックチェーンとか、そんなんじゃないです(笑)。ほんまのチェーンで世界シェアを持っている会社でした。

福田:世界シェア!

楠:そうなんです。すごいですよ! 工場の中のコンベアチェーンや、エスカレーターやエンジンの中など、チェーンって、いろんなところに使われているんです。そこに就職したのですけど、途中で「僕のやりたいことと全然ちゃうな」と気付いたんですよ。

福田:どれくらいで気付いたんですか?

楠:1カ月で(笑)。そこから、自分は本当は何がしたいのかと、結構突き詰めて考えました。1年間ぐらい。

福田:真摯な生き方がいいですね。

楠:もともと、何かを作ったり絵を描いたりするのがすごく好きだったんです。それで、何かを自分で作るプロになりたいと思うようになったんです。そこから今に至るのですけれども……

福田:じゃあ、そのチェーン会社はすぐにお辞めになったんですか?

楠:そこでは3年間頑張りました。

福田:1カ月で気付いたけど、2年と11カ月は頑張ったんですね。「石の上にも3年」といいますもんね。

楠:そうです。石の上にも3年、と漠然と言われても、しっくりこなかったのですけどね。

福田:全然こないですよね。

楠:そうなんです。ただ、ある人に「おもんないかもしらんけど、初めの3年間ぐらいでその仕事を本気で突き詰めてやるのか、はたまた『これぐらいでいいや』でやるのかで、今後がだいぶ変わるよ」と言われて。

福田:うーんそれね、その方には本当に申し訳ないと思うんですけど、絶対に間違いじゃないかなぁ(笑)

楠:間違いなんや(笑)

福田:僕はね、たまたま、そういうふうに言う人のことを全部無視してきたんですよ。「間違いだ」と言って。だから今、こんな感じなんですけど(笑)

楠:(笑)。僕はそのとき「そうなんや」と思ったんですよね。だからとりあえず、その仕事を自分なりにすごく頑張ってやったんですよ。それで3年でパチッと辞めて、とある中小企業の新規事業部に入らせてもらったんです。

福田:世界規模の会社を辞めて、小さなベンチャーの新規事業へ。

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