何事も見極めが重要
高山:営業力というと、上海に5年いた後日本に帰って来て会社を始めた頃、「よし、いろんな人にどんどん会って、自分の営業力を磨いていこう」って思っていましたね。その営業力を極めようって頑張った時に大クライアントから、六本木で会食に誘われました。普段六本木とか行かないし、店も全然分からないから、叔父貴に「どこの店がいいですか?」って聞いたんですよ。
福田:あったね。その日僕は自分の仕事で会食を2、3件掛け持ちしていて。ちょうど一件目の食事が終わった頃だったかな。
高山:見に来てくれたんです。
福田:そう、次の店に行く前に「うまくやってるかな?」と気になって様子を見に行った。
高山:会計しようとしたら、「福田さんがすでに払っております」って。
福田:「おかげですごい弾みが付きました!」って、後でお礼を言われたの覚えてる(笑)
高山:だって、あきらかにヤバそうな人がテーブルにやって来て「おう、頑張ってるか?」「あ、叔父貴!」とか言ってるんですから。しかもお金までバーンと払ってくれて。「一体何者なんだ?」ってなりますよね(笑)
福田:おくりバント精神ですよ。
高山:まさに、おくりバント。それで、当時叔父貴はソニー・デジタルエンタテインメントの社長だったから、「今の人は、ソニーの社長ですよ」って説明しました。
福田:“デジタル”が抜けてるから!(笑)
高山:「すごい。ソニーの社長と知り合いなんですか?」って驚かれて。
福田:ずいぶん大事なところを抜いたよね(笑)。面白いね。でも、そうやっていろんな人に当たっていって、結果うまくいくっていうのは、たいしたものだよ。ところで、高山さんはおいくつでしたっけ?
高山:43です。
福田:若い。そういえば最近、41、2歳で成功している人の話をよく聞く。来年はいい年になるんじゃないかな。
高山:でも全然成功する気配なんてないですけどね、この通り。今は次の一手をっていう感じですね。名前も出てきたし、刹那的ですけどいろいろ分かってきたこともあるので、もう一歩進もうと。あとは、コロナが明けたら海外にいきたいです。43にもなって自分探しの旅に行ってみようかなと。海外に行って何をするかは分からないですけど。
福田:映像を作って語るのが面白いわけだから、どこかに行って語るだけでも何かの番組になるんじゃないかな。
高山:YouTubeとかいいですね。
福田:芸能事務所も「港区になきゃいけない」みたいなのはダサいと思う。YouTuberもいろんな地方にいて何千万円も稼いでいたりするもんね。これからは、タレント2.0の時代が来ると言われていて、従来の芸能事務所にとっては冬の時代が来るわけじゃない。大人が港区の世界だけで無理やり成り立たせようとしていた今までの常識とかルールから解き放たれて、ネームバリューなくても面白い人が新しいことをやればいい。旅番組でも何でもいいから、楽しいことを一緒にできるといいよね。
高山:お願いしますよ、叔父貴。男にしてください!
福田:(笑)。今日はありがとう。また、ゆっくりね。
高山:ぜひ! ありがとうございました。
(了)
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