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メンバーシップ型のデメリット

発想の原点は、「構造を見る」ということ  Talked.jp

白河:経営者の方々がよくおっしゃるのが、「日本は一度壊れないと、絶対に無理だ。だから韓国の通貨危機のようなことが起きれば、ようやく変わるんじゃないの?」と。かなり突き放した言い方ですね。以前、ドラマの取材で韓国に行ったことがあるんです。労働運動がテーマのシリアスな内容で、人気アイドルグループの一人がそのドラマに出演していたのです。そこで彼に「このドラマのような経験はありますか?」と聞いたら「自分も小さいころにお父さんが失業して、それでアイドルを目指してソウルに出てきたんです」と。現地の新聞記者にその話をすると、「通貨危機の影響で、たくさんの家族が崩壊しました。その影響を受けた人たちが夜の街でいっぱい働いていて、みんな身の上話をしますよ」と言っていました。一度崩壊すると、その影響は本当に大きいのですね。

福田:崩壊したらどうなるだろうっていうイマジネーションを持つということが必要なのでしょうね。

白河:そう。もしかしたら、そんな世界になるのかもしれないって。

福田:メンバーシップ型社会だとできないばかりか、新卒の段階から、「今年のタスクはこうだ」「来年の予算、予実はこれな」「3カ年計画な」とか言われてね。21歳から60歳までの40年間、ずっと課題を与えられ続ける。だからどんなに優秀な人であっても、自分で考える能力が鍛えられない。

白河:自分で考えなくても、課題は自動的に降ってきますからね。

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