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本当の幸せは自立の先にある

発想の原点は、「構造を見る」ということ

福田:話は変わって、「婚活」から「おじさんが問題だ」「粘土層をどうしよう」まで、白河さんのそのイノベーションやアイデアは、どこから来るのかというチャプターに移りたいと思います。幼少期に遡りますが、お生まれはどちらで、どういうお子さんだったんですか?

白河:私は東京生まれの東京育ちです。いわゆる、成績のいい真面目な子だったと思います。バブルでそこからかなり外れましたけども(笑)。

福田:なるほど。でも、やっぱり「いい教育を受けられる」ということほど、大事なことはないですね。

白河:それは親に感謝です。あともう1つ、あまり信じていただけないのですが、子どものころから私は体力も根性もないし、負けず嫌いでもない。今活躍している女性は、負けず嫌いで体力もある方がほとんどだなと思います。

福田:そういう人じゃないと生き残れない業界のような感じになっていますよね。

白河:家が都心にあったので、どこに行くにも近かったなど、様々なことが積み重なって、私の発射台を高くしてくれているのだと思います。同年代の女性有識者グループのようなすごい方たちと比べると、何ほどのものもないですよ。

福田:そんなに謙虚になる必要は全くないですよ。

白河:ああいう環境で生まれ育っていなければ、私は今のようになっていなかっただろうなと思います。だから、積み増しされたものがある分、できるうちはできる範囲で、社会にお返ししたいという気持ちは常に持っているのです。

福田:それは、素晴らしいことです。ところで先ほど、バブルのときに外れたとおっしゃいましたが、良く変わったということではないのですか?

白河:きっと、悪く変わったんですよ。

福田:なぜですか? バブルのときに何があったんでしょう(笑)。

白河:何があったというか、バブルというのは、社会全体の幸福度が一番高かったらしいです。誰からも世知辛いことは言われないし、いろいろなことのハードルも低かったと思うんです。あのころは本当に、意識も低かったと思いますよ。キャリアウーマン志望でもなく、普通に婚活もしていました。「いずれ普通の専業主婦になる、でもその前にやりたいことは遊びも仕事もしておく」というのが、バブル当時の女性の一般的な考え方でしたから。つかの間の自由を謳歌しなきゃいけないというところがあったんです。

福田:ああ、そういうことですか。わかりますよ。僕も謳歌しましたもん(笑)。

白河:ですよね。その後、外資系証券の秘書に転職したんです。お金がとんでもなく回っていた頃で、モラルのない人はこういうところに来るとおかしくなっちゃうんだな、という部分をいっぱい見ましたね。

福田:見ちゃったんですね。

白河:はい。上層部の方というのは、同じ仕事でも日本企業の10倍ぐらいの給与をもらっているわけですよ。大手都市銀行から来たような謹厳実直な人が、見る間におかしくなっていくのです。愛人と一緒に出張に行ったりして。身近にそういうところを知ってしまうので。

福田:「あるある」ですね。遊びの筋力が付いていないから、途端に転落の方向へ行ってしまう。お金と遊びは、その年齢に似合ったやり方をしている分には、まともな大人になれると僕は信じているんです。僕も遊ぶのは大好きですから。でも真面目な人ほどおかしくなるという事例は、とてもよくわかる。ひとえに、遊びの筋力を鍛えていないから。

白河:本当は遊びの筋力も、学生時代から鍛えておくのが大事なのでしょうね。

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