週末起業と23人の店長
福田:守屋さんは現在、どのぐらいの会社のスタートアップに関わっておられるのでしょうか?
守屋:僕は今、52歳なんです。だから、52個と言っています。企業内起業と独立起業と週末起業、全部合わせて52個。
福田:すごいですね! その中の「週末起業」というのは?
守屋:週末起業は、たとえば、我々は今日仲良くなりました、と。「六本木で居酒屋やりましょうか」「いいですね、では大将をやってください」「おかみさんをやってください」みたいな。まずそういうノリですよね。
福田:月~金ではない?
守屋:そうですね。毎日営業していたら、それは独立起業になってしまうと思うんですよね。あくまでも、週末1日だけ、とか。
福田:副業でもない。
守屋:まあ、副業といえば副業ですかね。ただ、儲かっても儲からなくてもいい。稼ぐのが目的ではなく、楽しむのが目的なので。
福田:なるほど。
守屋:直近で言うと、週末起業としては大きいんですけど、板橋に120床の病院を新設で建てました。あとはフィリピンに小学校を寄付するとか。寄付する種銭はどうしてできたかというと、表参道でバーをやったら、儲けがでたのです。コロナ以前ですが。
福田:へぇ! 週末起業って面白いんですね。会議も楽しそう。
守屋:かなり面白いですね。ちなみに、その表参道のバーというのは、毎週金曜日の夜8時から12時しか営業しなかったお店です。
福田:8時から12時まで。
守屋:12時まで。夜の8時から。で、店長を23人ぐらい作った。
福田:ん!?
守屋:全員に店長っていう名刺を渡して。みんな普段はビジネスマンなんですけど。
福田:23人の店長?
守屋:表参道の駅から歩いて3分程、骨董通りを入ってすぐの地下に、バーを持っていて、それが週末の金曜日の夜の20時から24時しか営業していないっていうと、サラリーマン的にもいいじゃないですか。
福田:いいですよね。次の日にも影響なさそうだし。
守屋:その“店長”っていう名刺を渡すと、「俺、店やってるんだよね」って周りに配って、彼女とかを連れてくるわけです。男5000円、女3000円で、店長からも5000円っていうふうに全員から取って、サービスは一切なし。「勝手にカウンターの中に入って冷蔵庫を開けて、ピッコロボトルとか開けて飲んでくれ」というふうにしたんです。たとえば、彼女を連れて来て、カウンターの中に入ってピッてお酒出したりすると、俺の店っぽいじゃないですか。
福田:そうですよね。「俺感」出ますよね。
守屋:出ますよね。で、彼女が「わー、すごい!」「どうしたの?」「まあちょっとな」とか言って。この会話を23人が永遠に繰り返しているんですよ。