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やることが減るのは、「枯れている証拠」

熱量で壁を越えていく。「新規事業家」の生き方とは  Talked.jp

福田:これは、僕も聞かれても答えられないような質問なんですけど、セミリタイアとか考えられないんですか? のんびりしようとか。

守屋:うーん。僕の中では、事業を何か一個やると、その事業に関係する何かしらの別の課題を発見してしまったりで、「こっちも」となって、“やんなきゃいかんリスト”みたいなのが貯まるんですよ。

福田:貯まりますよね。

守屋:どんどん貯まる。でも、いつの日か、やったらやった分だけ減ってきたとしたら、僕はそれは自分自身の新規事業家としての感性が「枯れてきている証拠」と思うんです。だから、そこが僕の中のリトマス試験紙。やったらやった分、どんどん減っていったとしたら、「そろそろ引き際を考えなきゃな」っていう。今はやればやるほどやりたいことが増えていって、生活が破綻するような状況になっているので、まだ現役でいいかな、と。むしろ、新しい事業をセーブしようかと思ってはいます。

福田:分かります。

守屋:最近、物理的な限界に達していて、これ以上アポを入れると1アポ当たりが浅くなるというか、いい加減になるから。

福田:時間短縮はなさらない? 日本では、会うとなるとたいてい1時間って決められるじゃないですか。でも、zoomになると30分以内で終わるじゃないですか。…っていう感じで詰めるとか。

守屋:はい、リモートになって格段に効率的になりました。なので、コロナ以降は倍できるようになりました。コロナ前だと、午前と午後と夕方と夜とで1日4回打合せが出来る。7日間だから28打合せ。日曜日お休みさせてもらうとしたら24打合せ。つまり、毎週一度出社するというリズムでいけば、理論上の最大値は24社だな、と。それが今はすべての打合せがリモートになり、各打合せ間の移動がなくなったので、倍イケル。つまり、8×6で48社までいける。その計算で突っ走っていったら、どうにもこうにもしっちゃかめっちゃかになりそうで。(笑)

福田:ああ、今の自分がそうだ。もう、やっぱり沖縄に行くっていうのは、そういう意味では最初焦ったんですよ。貯まる一方だったんで。会わないと解決できないというクライアントさんも多いんですよね。「zoomは絶対嫌だ」とかね。「来い」とかね。それがストレスだったんですけど、「ちょっとzoomもやってみませんか?」とかやってるうちに、ちょっとずつ許されるようになってきて。だいぶコマは増えましたね。

守屋:このコロナはもちろん、大変は大変なんですけど、デジタル化という意味では5年間ぐらい、進化がぴょんって飛んでるので、これは良かったと思います。僕がやっている介護系の新規事業は、介護施設がお客様で、施設の現場でタブレットを使って遠隔で医療相談を提供させてもらうサービスなのですが、これまでは、営業に「行かなきゃダメ」だったんですよ。それが、今は“ベルフェイス”(法人向け営業に特化したオンライン商談システム)でオッケーなんですよね。しかも、そもそもタブレットを使ってくれなかったところが、タブレットを使ってやり取りするサービス構造を簡単に受けれ入れてくれるようになった。

福田:必要に迫られたところにまで行かないと、普及しなかったかもしれないですね。デジタル化っていうところでは、助かったところがあるから。守屋さんは、デジタル化によって時間ができたからといって、その時間で遊ぼうってならずに「もっと仕事をいっぱいやろう」ってなるんですか? でも、それが守屋さんにとっては遊びのような感覚なんですかね。

守屋:語弊のある言い方かもしれませんが、“労働している”という感覚はなくて“活動している”なので。まあ、“活動は遊びである”という理解をすると、遊んでいるといえば遊んでいるのかなっていう気はしますけどね。

福田:そうでしょうね。守屋さんの場合は、リストが減ってきてちょっと株を換金したらセミリタイア出来ますけど、そうならなさそうですね(笑)

守屋:そうだと思いますね。

福田:まだまだ、あと2-30年は軽く平気そうだけど。

守屋:今も「ああ、これやりたい」とか思っているのがあって、でも、「今このひと山が片付くまでは絶対に手を付けちゃダメだ」とか自分に言い聞かせて。

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