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ITだからこそ見えた、農業のこと

「食べチョク」創業者に聞く、一次産業×ITが解決する社会課題とは?   Talked.jp

福田:なるほど。けれど、今もう全開じゃないですか(笑)。でもわからないものですね、人のキャリアパスというのは。

秋元:そうですね。まさか農業をやるとは、という感じでしたけれども。

福田:DeNAにいらっしゃった時は、新規事業のご担当をされていたんですか?

秋元:新規事業をはじめ、4部署に携わらせてもらいました。もともと、何かやりたいことが見つかった時に、「自分でそのビジネスをやっていける力をつけたい」という思いで、DeNAに入りました。

福田:それはすごい!新卒で入った時からそう思っていらしたのですね。僕なんかの時代は、新卒の時なんか、みんなもっとぼんやりしていましたよ、本当に。でも秋元さんは「自分でビジネスをやりたい」というのがあったんですね。

秋元:起業という選択肢はなかったのですが、新しいサービスを作りたいという思いでいました。DeNAでは新規事業の立ち上げから、企画、営業、マーケティングなどを包括的に経験させていただきました。ただ入社後3年経った時に、まだやりたいことが見つかっていなくて。悶々と悩んでいた時、また農業と再会したという。

福田:農地でイベントをやって、その時にご実家を見て、何かのスイッチが入ったわけですね。

秋元:はい。でも、結局イベントはできなかったんですよ、農地が荒れ過ぎていて、人を呼べなかったんです。それで、いろんな疑問が出てきたので、生産者さんに会いに行ってお話を伺ううちに、DeNAにいたからこそ見えること、まさに「わかる」ということがありました。「もっとここをこうしたらいいのに」とか、「こんなにいい“売り文句”があるのに、なぜそれを打ち出さないんだろう」とか。そういうのがすごく気になって。DeNAで勉強したからこそ、自分にできることがあるんじゃないか、という思いで起業しました。

福田:今の秋元さんのお話を伺うと、ITのフィルターを通じて世の中を見た時に、農業のようにIT化が遅れているオフライン領域のところにはいくらでもビジネスチャンスがある、ということですよね。一方で、「これはネット化させてはいけない」と感じるものも多い。 僕はコロナ以降、去年の4月から沖縄に長くいるんですけど、そうすると、当たり前ですが人間関係が生まれるわけですね。土地はたくさんあるのに、仕事がない人たちがたくさんいることも見えてきました。なので農業の仕組みができたら、雇用も生まれるんじゃないかなと思ったんです。

秋元:なるほど。そこがスタートなんですね。

福田:農業の原価は、ご承知の通り人件費が殆どです。将来的にはロボティクスを入れて、人の労働と併用する必要があります。ロボットとの共存が必要だなと今は強烈に感じています。

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