「能動的な消費者」向けのプラットフォームを目指して
福田:独立されて間がないのにこういう質問がいいのか分かりませんけど、これからの展望はいかがですか。「ジャパネットを抜く企業にするぞ!」とか、そういうものは。
馬場:最終目標はジャパネットではなくて、中国のライブコマースを抜きたいんですよね。
福田:おお! すごいですね、面白い。
馬場:今はYouTubeの力を借りてやっていますが、将来的にはプラットホームを作りたいと思っています。Babanet Channelに覗きにくれば、いろんな商品が並んでいて、それが常に動画で紹介をされている。自分の興味のある動画だけを見ればいいという仕組みを作りたいですね。今までのテレビショッピングは、番組の中でいきなり出てきて流れてくるじゃないですか。その日の朝まで、欲しいと思っていなかった商品を買ってしまうのが今までのテレビショッピング。
福田:たしかに、そうですねえ。
馬場:私のライブコマースのプラットホームは、「今日はいいものを探しに行こう」と、買い物をしようと思ってくる人のためのものです。自分の興味のあるファッションであったりグルメであったり家電であったり、そういうものを選んで買い物ができる動画配信。これが理想なんです。
福田:プラットホームを作るためには投資が必要ですよね。それはどういうふうに、資本政策といいますか、お金を集めていかれるのですか。
馬場:スタートアップは比較的お金を借りやすいので、そういうところから捻出してかたちをまず整えようと思っています。今はまだ「0」を「1」にしている段階なので、ここからかたちになったものを「10」にして「100」にしていきたいと思っています。
福田:そのフレームとプラットホームを作って、組織も大きくなってくれば、また違う意味でのユニークなスタートアップができそうですね。
馬場:そうなんです。やっぱり商品がたくさん必要なので、全国に眠っているいいものをまずは掘り起こしたいんですよね。また、その商品について、私のようにしゃべる「ライバー」と呼ばれる人材も育てていく必要もある。だからそのライバー養成講座としての個人スクールも始めます。
福田:おぉ、その需要もあるでしょうね。そして、それだけいろんな商材を集めるとなると、世の中のトレンドについてどうキャッチアップするか、アップデートしていくかが大事だと思うんですけども。僕の場合は「後輩は先輩」と言っているんですよね。後輩を後輩と思っていたら、新しい情報が入らないじゃないですか。だから後輩を先輩と思うと、街の様子を教えてもらえるので「あ、このトレンドがくるのかな」ということでビジネスをやっているんですけど。馬場さんの場合はどうやって情報のアップデートをされているのでしょう?
馬場:いや、本当に若い方ってものすごく情報を持っているんですよね。逆にシニアの方のほうは、昔ながらの新聞から見る情報だけだったりしますけれども、若い方はどんどん街に出たりSNSの世界で情報を得ていらっしゃるので、私も若い方から学ぶことは本当に多いです。私が誰から学んでいるかというと、じつはうちの娘夫婦なんですよ。
福田:ああー! 身近なところに情報源があるわけですね。