メディアの変遷
メディア側から見た変遷でいいますと、1700年代はサロン、1980年代はテレビ、雑誌、2000年はネット、2010年はソーシャルメディアということで、上流階級からマスメディアを利用して多メディア化してきて、今やセルフブランディングの時代というふうに大きな変化を果たしていると考えております。
20世紀vs 21世紀:マスメディアからソーシャルメディアへ
また、20世紀と21世紀の大きな違いは何かっていうと、マスメディアを活用したブランディングからソーシャルメディアを活用したブランディングに変わってきてると思うんです。従来であれば大手広告代理店に広場にたくさんの人を集めてもらって、企業は拡声器を使って、テレビを使って多くの人に訴求すれば伝わったわけなんですけども、今はそういう広場に人がなかなか集まりませんで、いろんな密林、ジャングルに何々族という形で趣味趣向が合う人同士が集まる社会をSNSによって形成している。ですから、無数のコミュニティーに対してどういうふうにアプローチするかは、一社にお願いするのじゃなく、得意とする水先案内人を見つけて、コミュニケーションをしていくことが大切なんだと思います。
SNSの時代、人々は多種多様な趣味趣向で結びつく
サーチエンジンの崩壊
どうしてそういうことが起きたのかっていうのを振り返りますと、総務省が1996年と2006年のユーザーの受け取る情報量を調べたんです。これは平成18年度情報流通センサス報告書によりますと、この10年間っていうのは、インターネット普及前と普及後って位置付けていい10年だと思うんですが、たった10年間で消費者が受け取る情報量が532倍になった。これは驚くべき消費者行動に影響を与える情報量でありまして、いくら情報量が増えても人の生活っていうのは原始の時代から変わりません。1日24時間であることは変わりませんし、寝なきゃいけないし、食べなきゃいけないし、行動しなきゃいけない。だから、いくら情報が増えてもそれを取捨選択して自分に取り込んでいくのに、一方的なテレビの情報だけがリーチするわけじゃありませんから、お客さんからサーチしないといけない。ということで、サーチの時代がやってきたわけです。サーチエンジンで自分の欲しい情報だけ見つけて利用する。ところがソーシャルメディアがさらに発展してきますと、もうこのサーチも、する人も減ってきてまして、今は自分の知ってる人、信頼してる人、愛してる人が、これ面白いよということを、FacebookとかLINEで知ることで消費行動の喚起になるという時代になってるように思います。
ネット出現後、たった10年で情報量が532倍!