働き方改革より、遊び方改革が必要
北川: そうですね。でも、その世界観を変えられるっていうのはどういうことなんでしょうね。
福田: 学生が就職かんがえる時に「何の仕事がいいだろう?」って選ぶのがそもそも間違いじゃないかと。だって、かわいい同僚とか、すてきな先輩とか、メンターとして尊敬できる人がいたら、結構その仕事好きになりますよね。人間ってそんなに固定的に何やりたいって、ないのかもしれません。僕の場合、「007なりたい」とかね。子どもは自分の脳みそと外が未分化な状態にあるから、「007になりたい」ってすぐ影響受けるわけですけど、大人になるともうちょっと構造複雑で、それを理解させてくれないんです。だからダイバーシティ云々言ってますけど、「本当に多様であっていい」という教育、日本ではしていないですよね。
残業問題についても中学・高校から教え直さなきゃ駄目だと思っています。というのも、ハリウッド映画を見ていると、大学とか高校のシーンで、ジリジリジリって授業が終わるとみんなバタンッて帰るじゃないですか。あれ、日本でやったら、先生怒りますよね。「何だ、まだ俺の話が途中なんだよ」と。なんでアメリカはそうならないかっていうと、多分関係性がはっきりしているからだと思うんですよ。「教師は時間内に講義する義務がある」「生徒はその時間は教室にいる義務がある」と。だから、終わったらバタンッて帰りますよね。日本だとダラダラいるじゃないですか。その延長線上が、僕、会社の残業だと思うんですよ。
あと意識を変えていかなきゃいけないのは、「長くいたら、それだけアウトプットも多くなるのか」っていう問題。20世紀の工場だったらそうかもしれませんけど、GoogleとかFacebookが台頭する世の中においては、全く真逆ですよね。まだ、経済自体が従業員の時間を買っていると思ってるんでしょうね。本当は才能をライセンスしてもらってると思えば、恐らく今の労働者問題って解決する気はするんですけどね。
だから働き方改革もいいけど、やっぱ遊び方改革が必要なんです。遊びってクリエーション要るじゃないですか。体幹が整ってないとね。2次会どうするとか、何食べるとか、相手がいることなので、常にフリーウェイトですよね。どうやって帰るとか、何時までとか、いろんなこと組み立てていかなきゃいけないんですよ。でも会社に「9時―5時」の延長線上で3時間ぐらい多くいるのは、全然能がない話ですよね。それは考え方変えて行かないといけないと思う。働き方改革って、今、僕のテーマになっているんですよ。
北川: 面白いですよね。確か大前研一さんも、人を変えるには時間の使い方を変えるか、会う人を変えるか、場所を変えるしかないって話をされていて、働き方改革についてもそうかもしれないですけども、結局、この三つを変えなければ根本的に問題解決にならないんじゃないかなっていうのは感じます。
福田: でも、どうして変えなきゃいけないのってところの理解が、例えば小学校で勉強できる子は勉強できない子に放課後教えろとかって、「何が分かんないの?」「何が分かんないか分かんないの」「ああ」って、しょうもないことよくあるわけですけど、そもそも残業多い人って何を変えていいのか分かっていないと思うので、そういうことを教えるメンターが要るって話ですよね。
北川: 確かにそうですね。