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どこに自分を放り込んでも、アウトプットがある。それが「本物」

人生の秘訣!いまをどう生きるか?以上。 Talked.jp

坂野:面白いなと思ったのは、この網走の工務店の世界と、毎日がパーティー!みたいなニューヨークの世界って、まずタッチする人がいないってこと。全然違う世界があって、この両方にタッチしてみたら、面白いなと。

福田:そういうことを想像すると、わくわくしちゃうんですか?「ここに身を置いたら、自分はどうなるんだろう」っていうことが、まず面白い?

坂野:たぶんこの網走で駄目だったら、「ニューヨークの生活が大したことなかったっていうことだな」と思ったんですよ。

福田:すごい。その演繹的な仮設の立て方がすごいですね。なかなかそれ、出来ないですよ。

坂野:本当のアーティストだったら、自分をどこに放り込んだって、いけるはずなんです。 網走だろうが、金があろうがなかろうが、言葉が通じようが通じまいが。どんな状況でも、そこで自分が何をやってきたかって見えてくるじゃないですか。それこそアウトプットという意味で。

福田:若い頃に自分のことを客観的に見て、戦略を立てて、直感ももちろんある。その直感は、あとから考えたら、理屈で説明できちゃうぐらいのものですよね。それができるっていうのは、やっぱり天才ですよね。自分のキャリアを単純に捨てる、ということができちゃったんだ。
きっと、それを許すご家庭の環境っていうか、DNAがあったんでしょうね。僕の場合、何でも「やれやれ」っていう両親だったんですよ。このボタン押したら手をケガする、みたいな時も父親が、「やってみな、指がなくなっちゃうから」って。「えー?」とか言って、でも、やるんですよ。押すなっていうボタンは必ず押すし、登るなっていう山は必ず登るんですけど。 そしたらこの間、シンガポールのITの後輩の経営者が、「福田さんみたいに新しいこと、いっぱいやりたいんですけど」って言うから、「やればいいじゃん」と返したら、「出来ないんですよね。子どもの時から母親に、余計なことはするなって育てられたんで」って。それは大きいと思うんですよ。

坂野:そういう意味では、おっしゃるその原型みたいなのは両親になりますね。うちは極端で、母親は全てOKで、ひと言で言うとめちゃくちゃ優しい人なんですよ。逆に父親は超厳しい人。

福田:なるほど。僕、前職で創業した会社を辞めてちょうど1年経ったとこなんですけども、「よくそんな忙しそうにしてるね」とか、まぁ「仕事があるね」的なことを言われるんですね。自分でも不思議なんですけど、楽しいからやるわけじゃないですか。でも、別に自分から営業なんてしてないんですよ。ただ、これが40歳だったら営業していると思うんです。仕事をずっと継続させるためにね。でも、今はほとんど面白いお仕事が勝手に舞い込んでくるわけですね。ありがたいとか、そういうことじゃなくて、社会のニーズが自分のやろうとしていることに対して、接点があるせいかもしれないなと思ってます。

坂野:こんな言い方したら失礼ですけど、福田さんの活動は、ほんとに「社会の今」じゃないですか。そしてすごく、「ひと味違う」感があるんですよね。ひと味違う感っていうのは、それこそ僕がニューヨークに行って「何かが足りないな」と思って宮大工の世界に入った、その身体感覚というか。 そこってたぶん……。暮らしなんですよ。結局、暮らし。暮らしにどれだけ力があるかなんですよね。

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