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コミュニティのモチベーションをキープする仕組みとは

デザイン経営時代のブランディング Be general is be Aho! ~環境問題のイメージを一新しよう!~

福田:認められても認められなくても、自分が目覚めたものを表現すればいいよね。その運営メンバー10人中の半数以上が決めるっていうの、いいと思う。

かつてケータイ小説がはやった時に、「魔法のiらんど」っていうサービスサイトがあって。そこの社長が「これからはC to Cで小説を作る時代ですよ」っておっしゃっていたら、女子高生が白血病になるような、同じような悲劇の恋愛小説ばっかりだったの。中には『Deep Love』とか、大ヒット作も生まれたんですけどね。その時の僕の意見は、「サントリーミステリー大賞を取るような素晴らしい作家が埋もれないように、プロの編集者が見たほうがいいんじゃないか」っていうものだったんですよね。プロはプロなりの、プロの素養や経験を積んでいるから。  社会への出方って、ある時期は大人に認められないと出られない部分も実際ある。全てとは言わないけど、さらにその大人が偏屈だったり、フェアじゃなかったりするんですよ。そういうのを全部含めて現実だから。だからその10人のメンバーに見てもらうっていうのは、ありがたいんじゃないかな。そのメンバーのことは、サイトに載っているんですか。

イアン:「about」のページに、全員のプロフィールが載ってます。やっぱり民主的に物事を進めていかなきゃいけないかなって。過半数の人がOKって言わないと入れない、連載を始められないっていうプロセスがないと、全てが独断で決まり始めるんですよ。そうするとSpiral Clubに対するみんなの関心が下がってくんですよね。その分時間がかかるけど、オーナーシップがしっかりと分散されるから、長い目で見ると民主的なプロセスを取ることはすごく大切だと思います。

福田:僕、10年以上関わらせていただいているテレビ雑誌の連載があるんですよ。大した原稿でもないのに続けてくださってね。それも月に1本なんだけど、忙しくしてるからなかなか書けなくて、いつも締切1日か2日ずれるんですけど。ある時、「それでも、なぜこの連載を辞めないのか」と自問自答したんですよね(笑) そしたら、その仕事をいただいてることで、「なんかあったときにはメディアで書くよ!」っていう、狩猟民族の気持ちになるってことがわかったわけ。ハンターの目になるんですよ、書く人が。だから与えられたテーマに対して、「こんなことで炎上するのはなぜだろう」って考えて書くわけ。だからspiralclubに参加する人は、「10人メンバーの審査を受けて半分以上OK」でいいんだけども、書くモチベーションがゼロから、「ただ書くよ」では続かないと思うんですね。
それでアドバイスってことでもないんですけど。書くほうのモチベーションを上げるためには、コミュニティーにおける編集者が大事かなと思うんですね。たとえば、「これから夏になって旅の機会も増えるけど、あなたにとってのベストな旅の写真を送ってください」ってなると、それがテーマで、編集者なんですよ。それに対してみんな写真を撮ったり、文章を書いたりするから。別にそのテーマにそぐわなくてもいいんだけど、「この月のテーマは旅」っていってくれたら、「出向いた土地の海でごみ捨てに参加しました」とか、投稿する側の意識の向け先が変わるというのかな。だから、このコミュニティーからテーマを与えてほしいですね。そのほうが、「ただ書いて」というよりも活性化するんじゃないかな。

イアン:なるほど。つまり、考える訓練ですね。

福田:そう、考える訓練をするには、やっぱり編集者が要るかな。そういうリードをしてくれる団体であってほしい。自分はもちろん問題意識があるし書くんだけど、問題意識のスイッチを入れるような工夫をしてほしい。

イアン:僕たちは、編集長っていう存在をなるべく作らないようにしたいと思ってはいて。というのは、コミュニティーという脳細胞のようなネットワークがあって、繋がりが多ければ多いほど脳は多様な考えを持つことができる。自然環境に目を向けると、様々な要素が絡まりあって、ダイナミックな安定がある。コミュニティも一緒だと思うです。絡み合うネットワークが中心に、ヒエラルキーの無いコミュニティー・メディアを目指しています。上に「長」がいると、みんなの発信の自由度がすごくなくなっていく気がしているんです。福田さんがおっしゃっていた「考える訓練」は、できるだけメンバーで集まって、フィードバックを与えあって、腹を割ったディスカッションをすることで実現しています。

福田:うん、その意見はすごく分かるけど、それも年齢によるんですよ。僕、自分のことばっかり言って申し訳ないんですけど、僕みたいな年代が参加したほうがいいと思うから言うんですけど。おそらく、ただ頼まれても多分、続けられないと思うわけ。でも自分がそれをやり続けるためには、自分でいうのもなんですけど、この多忙状態の中でやり続けるためには、誰かに命令してほしいの。

イアン:それは分かります。

福田:命令されないと多分できない。これをみんなに広めたいと思うし、その意識は高いんだよ。

イアン:そうですね。確かに福田さんのようにめちゃくちゃ忙しくて、ご自身の世界観が固まっていらして、自分の関心事、その領域の知識量がものすごく豊富な方だと、確かに「これについて書いてください」っていうのが、形としては一番いいですね。

福田:「あんたどう思う?」でいいんだよね。

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