辺野古問題、 誰も怒らない日本の不思議
福田:話を戻すと、それでイアンくんはクリエイティブな両親に育てられて、今の活動につながっている?
イアン:幼少期の経験から、今の活動にものすごくつながっている部分は、たしかに両親ですね。環境を意識せざるを得ないような場所に、親があえて連れてってくれたっていう。ボルネオのジャングルもそうですし、あと沖縄の海には9歳ぐらいの時から家族で魅入られて。それまでも、オーストラリアやハワイの海とかいろいろ行ったんですけど、「沖縄の海って、やっぱり違うじゃん!」って。
福田:めっちゃきれいだよね。
イアン:特に離島の海が、本当に美しいんですよ。13歳から18歳ぐらいまでの間、僕は宮古島のダイビングショップで毎夏ホームステイしてたんですが、最高でした。インターナショナルスクールの同級生はみんな、アメリカの勉強キャンプとか、ボーリングキャンプとか、よく分かんないキャンプに行ってる間、自分は沖縄のダイビングショップで船長の下でアンカー下ろして、沖縄そば作って、みたいな。夏休みは毎年、2、3カ月間やってました。その時に、いろんな環境の表情や本当の海の美しさに触れて。それが心に残る、ものすごく強い原体験としてありますね。自分の中に。
福田:自然に対する憧憬みたいなものだね。
イアン:環境に関わっていくということは、感情的なつながりが不可欠なんだなって、いろんな人と話していて思いましたね。自分に関しては、そういった子どもの頃の沖縄の経験が、自然環境との感情的なつながりを育んだという風に思っています。
福田:そうだよね。だって急に、「環境にいいことをしなければ!」とはならないよね。それに、平和とか環境っていうことに対して無関心な人は少なくないけど、それって、ほとんど旅をしたことがない人だと思う。いろんな国の人と話したことがない人は、まるで分かってくれない。
それに、安倍内閣は本当にひどいと思うよ。サンゴだって、何にも動かしてもいないのに平気で嘘つく。ああいう人たち、許せないよね。なんでこうやって平静を装って生きているのか分からないぐらい、沖縄に対する仕打ちは許せない。
イアン:その話は、もう本当にそのとおりですね。