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海外作家のエージェント会社に就職

旅だけが ”本当”を教えてくれる ~名物作家の世界放浪記~  Talked.jp

福田:でもずっと、深夜のガードマンを続けていらしたわけじゃないですよね。

鬼塚:初めて海外旅行に行ったときに、オーストラリアで日本語向けの新聞社にアルバイトをしていたのでそこに連絡しました。で、働いてもいいよってなったので、ビザを申請したんです。88年ぐらいのオーストラリアは、シドニーから電車で15分ぐらい行ったところにプール付きの家が1,500万で買えたんですよ。今はその10倍ですけど。そういう家を買うのが目標だと思ってまた頑張ろうと思ったんですけど、そのころのオーストラリアって不況で、2か月で下りる筈だったビザが下りないんですよ。で、ずーっとガードマンやっていると、きついんですね。だから(明日になればオーストリアで記者だ!)って自分を励ましながら続けたんですけども…。

福田:オーストラリアのビザは下りなかったんですか。

鬼塚:ビザが不景気で下りないので、結局日本で会社を受けたんですよね。あちこち50社くらい受けたけど受からなくて。やっぱり30過ぎて社会経験がないとなると、当時の日本社会では誰も相手にもしてくれなかったんですよね。で、外資系なら英語を話せるってことで、どうにか面接まで行ってまして。「どうせここも落ちる」と思って、英語でペラペラ好きなことをしゃべっていたら、その外資の会社の人が「お前、面白いから来い」って言われて。それが今の前職の会社で、海外作家のエージェント会社だったんです。

福田:なんという会社なんですか?

鬼塚:イングリッシュ・エージェンシーです。海外の作家のエージェント業務をしている会社ですね。日本の出版社に海外の作家の本の翻訳権を売るという仕事。大体日本の文化って、アメリカよりも2~3年遅れているじゃないですか? だからアメリカの書籍を通じてほぼ確実な日本の未来が見えていたんですよ。アメリカで流行っているものを扱うから、日本で流行るものが先んじて分かるんです。

福田:タイムシフト経由ってやつですよね、今で言うと。

鬼塚:ハリウッドの映画の原作をよく売っていましたね。たとえばワーナーの映画の原作権を売ったり。どの原作のどの映画がヒットするとか、観ていればすぐ分かるんですよ。だから早めに権利を押さえるわけですが、そういう仕事がすごい面白くなって。

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