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VRは“体験”をパブリッシュできる初めてのメディア バーチャルリアリティー専門のアートギャラリーをオープンした実業家 福田淳に聞く Talked.jp by Sony Digital Entertainment

現状では、プロ用のVR撮影は困難を極める

福田:このVRアートを再現するのには、一番安いパソコンでも22万円ぐらいするんですけど、パソコンって今3、4万円で買えるのにどうして22万円もするのかって言うと、グラフィックボードを1080以上積んでないと起動しないからなんです。ハイエンドPCが必要なんですね。VRの4Kで撮ったものを、編集しようと思っても、まだ業務用カメラもなければ簡単に処理できる編集機材もないんですよ。だから、みんな手作りでやっているんですね。
一番いいのは「GoPro」ってスポーツ用のカメラ7台を球体につけて360度カメラを作り、パッチワークみたいに撮ったものを貼り合わせる方法(ステッチング)です。この大変な作業を請け負うポスプロ(映像作品の製作における撮影後の作業を担当するプロダクション)もぼつぼつ出始めているんですよ。ただ価格表を見ると1秒1万円っていう料金設定だったりします。まだまだ高価なのです。でも、年明けぐらいに業務用VRカメラが発売されるので、制作コストも普通になってきます。あとは、パソコンメーカーも容量を2桁上げないといけない、回線業者も2桁上げないといけない。この高スペックなニーズは、逆に考えるとすごい産業革命になりますよね。だからVRが眼鏡型かコンタクトレンズ型に限りなく近づいていくと、スマホが社会に出たとき以上のインパクトがあるというふうに僕は思っています。ただ、こういうことは非常にジャーナリスティックなものじゃないですか。だから、まずはVRアートをここに置いて、静かに見ていただくところから始めようと。

テレビの延長線上にVRというアプリケーションがあるわけではない

福田:次の展開として、YouYube上にVRチャンネルを作ろうと考えています。このVRチャンネルには、最高品質の4K-VR素材で公開するので、プレステであろうが、オキュラスであろうが、HTC viveであろうが、何かプラットフォームを持っていれば、このギャラリーで撮ったVR映像を世界中どこでも再現できて、体感できる。そういうチャンネルを考えています。と言ってもヘッドセット自体が4K化してみませんから、そこは端末メーカーの新製品に期待してます。(但し現状では素材は4Kでもヘッドセットが未対応)
よく「360度どうですか?」とか聞かれるんですけど、とにかく僕がしてほしくないのは、モニターを指でくるくる回して見るアレです。全然違うんですよ。それはテレビのようにフレームがあった時代の話でしょと。僕の中ではテレビフレームはもうないんですよ。
さっきの話の流れだと、今後テレビ産業も全部なくなるのかってことになるんですけど、それは版画がなくならないのと同じ理由で、テレビもなくなりゃしないとは思います。ただ全く別の新しいメディアがでてきたよってことなんです。テレビの延長線上にVRというアプリケーションがあるわけじゃないです。これはVRの見方をお教えるためにもちょっと強調して申し上げたい点ですね。

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