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VRは“体験”をパブリッシュできる初めてのメディア バーチャルリアリティー専門のアートギャラリーをオープンした実業家 福田淳に聞く Talked.jp

クリエーターとハードウエア、プラットフォームが組んで改善をしていくことが大事

B-:ちなみに制作者、今回はアーティストさんですが、Googleのツール(ティルトブラシ)を使ったっていうお話でしたけど、制作者側から見たVRの感想というのはどんなものがありましたか。

福田:そうですね。「面白い」とか「今までにないことができる」とか、そういうベタなのもありますし、逆に、「ツールが使いにくい」とか。白状すれば、「全くわからない」っていう方もいらっしゃいました。
Google側もいろんなフィードバックしてます。こういう新しいツールは、クリエーターとハードウエア、プラットフォームが組んで改善をしていくことが大事ですよね。ただ、うちはプラットフォームフリーなんで、今はHTC VIVE使ってますけど、プレステVRでもオキュラスでも、今後でる全のプラットフォームに対応するつもりです。パーフェクトTVもディレクTVもケーブルテレビも全面営業します、みたいなことです。
でも僕のキャリアは、皆さんご承知の通りアナログのケーブルテレビ営業からデジタルの領域に来たわけですが、本当にデジタルの世界って、すぐ新しいテクノロジーやサービスが出るし、すぐ消えるんで競争が非常に激しい世界なんですよ。その分「義理と人情」みたいなものがないんですね。それが僕には合ってます(笑)。そういう古い体質とか、もう関係ないです。本当にフィットしたものをマーケットに出せるかってことに関係者がフォーカスできるのがデジタル産業。それと比べると、なんかテレビ業界とか旧態然としているじゃないですか。相当勉強してトライしていかないと今の時代には追いつけない感じはありますね、とか批判めいたことを言ってすみません(笑)

映画制作よりもまずは劇場にVRの環境を入れようという流れになる

B-:今後のVR市場というのは、先ほど医療とか不動業界のお話がありましたけども、どういう分野で伸びていくのでしょうか。

福田:ゲームとポルノってニューメディアの過渡期の起爆剤なんですよね。もちろんなくならないし、人気があるし、ポーションとしては大きいとは思うんですけど、やっぱりライフスタイル、非ゲーム系の分野が何倍にも伸びると思います。

B-:ゲームやポルノ以上に。

福田:はい。例えば、歯医者さんってテクノロジーだらけですよね。レントゲン撮ったら、立体ができて治せるとかっていまのテクノロジーが全部はいっているのは歯医者なんです。当然、歯医者がVRを扱うのは時間の問題でしょう。実際、高度な外科手術で使われているっていう事例もあります。VRはまだまだ高価だからお客さんの単価が高い業種から普及していくと思うんです。ブライダルもそうですよね。普通に写真を撮るんだったら5万円も払いませんけど、結婚式だったら払おうかなと思うからブライダル産業って成り立ってるわけなんで。
だからVRはまずそういう非ゲーム系の高付加価値産業から入って、不動産など体験に価値のあるものからニーズが出てきます。これをエンタメ業界に置き換えると、映画制作よりもまず劇場(ライブシアター)にVRの環境を入れようという流れになると思います。ロサンゼルスには、ジェットコースターをVRにしちゃったアトラクションもありますし、ボイド(VOID)って会社がソニー・ピクチャーズエンタテインメントの『ゴーストバスター』を基にしたVRシューティングゲームの新しい施設をニューヨークに作ったりしています。入場料30ドルだったですかね。「VOID ゴーストバスター」で検索すれば出てきます。映像も出てくるんで、一度見てみてください。
あと昨日僕が教えてもらったYouTube映像、ジェットコースターでスーパーマンが助けてくれる動画なんですけど、VRのヘッドセットかけて、本当のジェットコースターに乗るんですよ。それがYouTubeに出てるんですけど、本物とVRかけた画面の両方が出てくるんですけどね、ガガガガガッてコースターが上がると、先の方がもう折れて切れてるんですよ。

B-:はいはい。

福田:実際は自分がガタガタガタッて落ちそうになったときには、放り出されてもう線路がないんですよ。うまいことスーパーマンが助けに来てくれて、ジェットコースターをグググググッて空まで持ち上げてくれるんですよ。すごい体験ですよね。リアルなサービスにVRを組み合わせることで、あれだけの体験ができるんだったら、多分単価を倍にできますよね、興業的な話で言うと。だからよりやっぱり体験に近いものができるっていうのがVRの魅力です。
日本だと、池袋サンシャインの「SKY CIRCUS -天空でVR」が最先端のVRアミューズメントですね。「TOKYO弾丸フラィト」は展望台から発射されて東京の名所を回れるVR体験だったり、「スウィングコースター」と言ってブランコに乗って池袋の上空を遊泳できます。HTC Viveを活用してVRの面白さをうまく表現していますよね。

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