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VRは“体験”をパブリッシュできる初めてのメディア バーチャルリアリティー専門のアートギャラリーをオープンした実業家 福田淳に聞く Talked.jp by Sony Digital Entertainment

VRにはフレームがないから、フェスのカメラも一番かぶりつきに1個あればOK

B-:今、フレームあるなしというお話がありましたけど、テレビコンテンツのようにフレームがある映像コンテンツと、VRコンテンツを比べたときに、制作面でもいいですし、本質面でも結構ですけども、その違いっていうのはどういうところにあるんでしょうか。

福田:まず、フレームがあると見せ方に基づいて構成しなきゃいけないんで、それぞれに違うレベルのノウハウなんでしょうけど、今までのカット編集とかディレクションという概念が変わると思います。
VRは体験なんで、例えばフェスの映像なら、とっておきのSS席でアーティストを一番近くで見られる迫力と、なおかつ周りの臨場感とその両方を味わえるっていうのが恐らく最高の表現方法だと思うんですね。で、VRにはフレームがないから、フェスを撮影するときも、VRチームはいろんな角度から撮らないんです。一番かぶりつきの所に1個カメラを置いておけば、それが最高の表現なる。だから映像作りが根本的に変わって行くと思います。
いまスカパーで「寄席チャンネル」を運営しているアトスインターナショナルの城水さんにもご協力いただいて、いくつかの寄席を実験的にVRで撮っていこうだとか、ありとあらゆるコンテンツをVRで撮ってうちのVRチャンネルで流していこうと思っています。

B-:福田さん、映画にかなりお詳しいのでもちろんご存じだと思うんですけど、映画だと自分が撮りたいテーマがあって、そのテーマに沿って映像の表現方法みたいなことを考えて、焦点を当てたい所に合わせてカットを割っていきますけども、VRってのはそもそもカット割り自体がなくなるので、制作者もテーマの見せ方について今後もっと考えていかなければならなくなりませんよね。

福田:VRで何か体験を作るぞといったときに、今はライブエンターテインメントに向いているっていう程度の認識ですが、将来的にはVRカメラが主軸になってドラマが進行するような展開にもなるかもしれません。実際、このVR技術はハリウッドが注目していましてます。もともとゲームから出きたエンジンなんですが、ハリウッドは従来CGを作ってから、俳優と組み合わせていましたが、最新の「スターウォーズ」ではVRゲームエンジンを使って撮影されています。それによって、予め作り込まなくても、俳優の動きに合わせて、背景が動く特撮が可能になりました。これまでのハリウッドではそれがない限りCGをつくり込んで、「1ミリもずれないように演技してね」って役者にお願いしていたんですよ。失敗したら、「うまくいかねえな、もう1回じゃあ背景の所からプログラムし直して」ってすごい時間かかったんです。それが今はVRのエンジンを使って背景などを変えられるので、「好きに演技をしていいよ」となっています。VRを使ったハリウッドの撮影現場のおかげで制作期間も短くてコストがすごく低くなったっていうことなんですね。

VRと4DK足すことによってディズニーランドやUSJに近づいていく

福田:もう一つ、映画館、今「シン・ゴジラ」でも4DK+3Dメガネで観る体験型の上映がありますけど、多分近い将来、4DK+VRメガネが出ると思います。家だと4Kだけのオンライン視聴かブルーレイ視聴でいいわけですが、VR+4DKが映画館の付加価値になれば、ホームエンターテイメントを超えられる。VRと4DK足すことによってディズニーランドやユニバーサルスタジオに近づきたいというのが、恐らくハリウッドの映画関係業者が一番 VR に期待しているところなだと思います。今4DKってチケットに「+1200円」程度で11種類の体感があるわけなんですけども、VRをやったらお客さまの満足度はさらに上がり、それに伴って客単価も上げられるというふうにハリウッドは考えているんじゃないかなと思います。
そういうふうにVRはそれを使って「どう撮るか」だけじゃなくて、アプリケーション(周辺の活用)でも盛り上がっていくと考えます。このギャラリーに来て体験してもらうと、「なるほど」「おお」って理解されるのですが、それだけだと理解スピードが足りないので、近々VRチャンネルをやって「こうやるとVRを体験できますよ」というプロモーションもネット展開する予定です。

B-:VRチャンネルはちなみにどういったコンテンツを。

福田:今は、ちょっとカタログみたいにしようと思っています。「森の中にいます」とか「ライブを体験できます」とか「寄席を楽しめます」とか、そういうかぶりつきで見たり、体験して気持ち良いっていうコンテンツを中心に編成しようと思っています。実はこれまでVRチャンネルについていっぱい取材を受けたんですけど、言うのは今日が初めてです。

B-:本当ですか。

福田:はい。というのも、なんとか形になるまで、自信がなかったんです。いや、本当に機材がうまくいかなくて何度も何度もシューティングしてるんですよ。全部失敗です。ライティングがうまくいかないとか音響がうまくいかないとか。

B-:一番ネックだった所ってどこですか。

福田:全部ネックなんですけど(笑)、360度撮るいいカメラが1つもないっていうのが一番の大問題ですね。ただ、Groを複数台組組み合わせて撮影することで、かなりプロ仕様の撮影ができるようになりました。

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