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社会貢献であっても、利益を生む大切さ

経営者の在り方ってなんだ!?~投資家の琴線に触れるヒント

家入:最初の話に戻りますと、僕の存在感がなければないほどいいと思っているんです。

福田:実際、そうなりつつありますよ、仙人のように。「社長、どこ行った?」とかいって(笑)

家入:と、なっていくといいんですけど。

福田:「自分がいなくなったらいい」という経営者、めずらしいですよね。いいと思います。

家入:先述のpaperboy&co.を創業した時からずっと、そういう思いはありました。だってこんな不透明な時代では、明日死んでしまうかどうかも分からないじゃないですか。例えば交通事故とかもあるし。僕が不在でも回っているような組織を作らないと、組織としては脆弱になってしまいますよね。

福田:たしかに。

家入:なので、最終的には僕がいなくてもなるべく回るようにする、と。すると僕も、「なんで自分はここにいるんだろう」っていう気持ちにだんだんなってきて(笑)

福田:本当ですか、それすごいな(笑)。僕が外資系にいたときのボスは季節ごとにバケーションで、3週間ぐらい休む感じだったんですよ。

家入:はい。

福田:でも「そんなに休んだら、業務が滞るじゃないですか」って、言ったことがあるんです。そうしたら、「俺がいなかったら滞るのは当たり前だろう」って返されて。「俺がいないのに業務が回っていたら、自分はなんで給料を貰えているんだよ」って言われたんですよね。そうかもしれないなーと。だから、その上司が休んだ時は、みんなも休み。いや、あれでよく会社が回っているなと思いましたけども、それがあまりにも印象深い経験になってしまいました。
「俺はここにいるから給料を貰えている」っていうのは、家入さんの発想とは真逆ですよね。いなくても回る。株式会社なのに、NPOみたいな感じですよね。

家入:そうかもしれないです。でも株式会社がどうしても好きなのは、「ちゃんと売上を立てて利益を出す」というのが、すごく大事なことだと思っているからなんですね。その原資はガソリンみたいなものなので、それがあるから、みんなを乗せて車を走らせられるわけだし、みんなの生活を守るのも僕の役目だと思いますし。 僕はやっぱり、事業体として回すっていうことに、自分なりのこだわりがあります。

福田:それは、僕もまったく賛同します。以前、僕が関わっているNPOと似たような主旨のべつの団体から、「なんでうちには寄付をしてくれないんだ」って、怒られることがあったんです。「なんで怒られるんだろう?」と思って。「いや、そちらの団体のことは知らなかったので」って言ったんです。「じゃあ、今知ったんですから、出してください」と。そこで「自分の納得が違うんです」とか言って、お断りしました。僕も社会起業家を名乗ってもいいと思うんですけども、お金儲けをして儲けることも社会貢献だし、そのことによって余裕ができて発想が生まれることだって多いじゃないですか。富裕層がチャリティやボランティアを行う理由って、その人たちが全員税金対策だけでやっているわけじゃなくて、ゆとりがあるから、なんですよね。

家入:そうですよね。

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