20世紀型企業はイノベーターを潰してしまう
福田:日本は、いいところを褒めてくれないですもんね。「基本ディスる」で行きますからね。で、そういう多様性の洗礼を浴びて、その後は?
國本:SaaSが流行し始めていたところなので、当時、SaaSの事業買収をして、新規事業だったのでそこにポッと入ってですね。いかにグローバルHR(グローバル人事)を変えていくのか、というところを、日本企業様向けにやっていました。
福田:日本企業がいちばん苦手な分野のお仕事ですよねぇ。
國本:そうですね。まさに人事って、「文化が変わらないと人が変わらない」部分なので。とはいえ、会社には1~10%の間でイノベーターがいるので。その人をいかに見つけるのかが重要なんですよね。
福田:でもイノベーターを見つけても、みんなで潰しにかかってくるじゃないですか。例えば小学生でも、ギフテッドがいたらいじめるから、みんな引きこもりになっちゃいますよね。でもアメリカでは「あなたの才能、すごいじゃない」となるし、専門家のところに行って、どんどん飛び級して……となる。だからまるで違いますよね。日本で仕事できるやつって、冷遇されるところがあります。
國本:たしかに、それはありますね。
福田:例えば大手メディアでもね、トップ営業って朝の3時間ぐらいで全部終えちゃうんです。で、午後は映画行ったりサウナ行ったりしてるんですよ。ところがね、それを知った社長が「お前、2倍、3倍働いて、売り上げ2倍、3倍にしろよ」ってなる。
でも、みんな、実力あるからそんな馬鹿な働き方はしないんですよ。そして、そのうち辞めていく。なので、日本企業は、2番手3番手以下のスタッフだけで成り立っているのではないでしょうか。日本はもっとイノベーターを伸ばしていかないと、メルカリも出ないし、チームラボの猪子さんも出ないし……っていうことかもしれないですよね。
國本:そうですよね。そういうイノベーターの方、日本でもメルカリの山田社長とかも含めて、やっぱり海外を見ている人が多い。福田さんもそうですけども。
福田:山田進太郞さんは、7000億円のバリューの会社を作るんですからすごいですよ。1%株を持っていたら70億ですよ。あの上場でどれだけ投資家を産んだことか!