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ラッパーから連絡をもらい王子と知り合い、 難民キャンプで抜刀演舞

日本人サラリーマンがアラブの王様と付き合う交渉術   Talked.jp

福田:鷹鳥屋さんの著書『私はアラブの王様たちとどのように付き合っているのか?』(星海社新書)が、面白すぎでした。もう売れていると思いますけど、もっと売れるでしょうね。

鷹鳥屋:ありがたいことに、初動はよかったみたいです。でも重版…重版欲しい…

福田:冒頭から既に面白いですよ。冒頭に書かれているアラブの王子との出会いが、まず「ラッパーからの一本のメールだった」っていうところ。王子の数ってむちゃくちゃ多いらしいのですが、どのステータスの王子なのかっていうのは分かるものですか?

鷹鳥屋:そうですね。私は現地の歴史を少し勉強していたので、王子のランクについてざっくり理解していました。戦国時代のように、「この人は井伊家か本田家クラスで、徳川家ではないな」とか。部族の名前とかを聞いたらなんとなく分かります。

福田:サウジアラビアもヨルダンも、王様の名前が国家の名前になっているんですってね?

鷹鳥屋:そうですね。サウード家のアラビア半島という意味でサウジアラビア。で、ヨルダンはヨルダン=ハシェミテの王国って意味なので、そんなふうに特定の家族、部族の名前を国名に冠にしているのは、今時世界で三つ四つしかないですよ。

福田:そうなんですか。日本を「福田の国」と言ってるようなものですよね(笑)

鷹鳥屋:そうですね、「福田ジャパン」(笑)

福田:すごい(笑) ぼくも以前、ドバイで少しだけビジネスをしたことがあります。アニメ関連ですが。

鷹鳥屋:ドバイコミコン(*1)ですか。

福田:そうです。そのときにインド人でCGの会社をムンバイで経営している人と知り合って。僕は「アニマックス」の立ち上げをしたので、その背景から「アニメのプロデュースをしてくれ」とか「アニメ館のプロデュースをしてくれ」とか。途中でその会社が潰れちゃったんですけども……。でも、とにかくその打ち合わせ過程が全部、面白かったんですよね。その方が鎧の蒐集家だったので、「とにかく秋葉で鎧を買って来い」って言うんです。「なんで秋葉で……!?」みたいな。

鷹鳥屋:あー、秋葉原には「丸武産業」様という、鹿児島が本社で甲冑を作っている会社さんの展示販売のスペースがあるんですよ。たぶんそれが有名で。だからわたしも、何度かカタールとかサウジの人をみんなそこにお連れして。甲冑の展示を見せたりしました。

福田:中東の人たちは、なんでああいうのが好きなんですか?

鷹鳥屋:やはり侍が好きで、「侍と言えば、刀か甲冑だよね」という。日本人がアラジンを好きで、ランプ買おうかな、っていうのと同じ感覚かも。

福田:なるほど。鷹鳥屋さんの本にも書いてありましたけど、「せっかく武術や日本刀が使えるなら、パレスチナ難民キャンプの学校の生徒たちと一緒に遊んであげてほしい。日本刀が使えるなら遊んでほしい」って、国連職員がお願いするとかいうエピソード、すごく面白かったです。

鷹鳥屋:はい。なので難民キャンプの学校の子供たち900人ぐらいの前で、抜刀演舞しましたね。

福田:大ウケけ?

鷹鳥屋:大ウケでした。子どもも先生も。

福田:そういう底抜けな明るさってありますよね。

鷹鳥屋:そこはもう、素直に明るいのは悪いことじゃないなと思って。

福田:僕はほかの日本人よりは中東に行っていたので、事情は知っているほうだと思い込んではいましたけれど、拝読して「まだまだだな」と思いました。日本でビジネスしていると、アメリカと中国を見て判断しているところがあります。そうやって生きているのと、アラブ圏を見過ごしてしまうところです。

(*1)…中東初かつ最大のアニメ・漫画などポップカルチャーの祭典

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