ゴリさんと映画談義！
沖縄と死生観。ITで解決できる映画業界の未来。
（前編）
編集・構成：井尾淳子
撮影：越間 有紀子
日程：2022年３月５日
照屋 年之（写真／左）
1972年生まれ沖縄県出身。日本大学芸術学部映画学科中退。1995年に同じ沖縄出身の川田広樹とお笑いコンビ「ガレッジセール」を結成。2006年の初監督短編映画『刑事ボギー』でショートショートフィルムフェスティバル「話題賞」を受賞。2018年公開の映画『洗骨』はモスクワ国際映画祭、上海国際映画祭などの映画祭に出品。日本映画監督協会新人賞などを受賞。「沖縄に恩返しをしよう」という思いから、沖縄を拠点にした「おきなわ新喜劇」を立ち上げ、沖縄の映画も撮り続けようと思っている。
福田 淳（写真／右）
スピーディ・グループＣＥＯ
1965年日本生まれ / 日本大学芸術学部卒
ソニー・デジタルエンタテインメント社、ファウンダー
金沢工業大学大学院 客員教授 / 横浜美術大学 客員教授
企業のブランドコンサルタント、女優”のん”をはじめ俳優・ミュージシャンなどのタレントエージェント、ロサンゼルスのアート・ギャラリーSpeedy Gallery運営、エストニアでのブロックチェーンをベースとしたNFTアート販売、1948年創業の高陵社書店（現 株式会社スピーディ・ブックス）を傘下におさめ、世界33カ国で出版事業を行なっている。
その他、沖縄リゾート、米国での不動産事業、ハイテク農場運営、ゲノム編集による新しい食物開発、スタートアップ投資など"文明の進化を楽しむ"をテーマに活動している。
カルティエ「チェンジメーカー・オブ・ザ・イヤー」、ワーナー・ブラザース「BEST MARKETER OF THE YEAR」など受賞。著書、講演多数。
公式サイト:
http://AtsushiFukuda.com
YouTube対談動画
https://www.youtube.com/channel/UC3oCfveGQgT2Lpx27O9NDIw
２人の意外な共通点
福田：本日お迎えするのは、お笑いコンビ「ガレッジセール」ゴリさんです。そしてもう一つお持ちの顔でいうと、映画監督の照屋年之さん。ゴリさん、あるいは照屋さん、どちらでお呼びしましょうか？
照屋：どちらでも大丈夫です！
福田：では、僕も馴染みのある“ゴリさん”で呼ばせていただきますね。今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。
照屋：こちらこそ、よろしくお願いいたします。
福田：僕は映画『洗骨』（2019年）*(1)を観て、「すごい！」と思ったんです。それでどうしても一度お目にかかりたくて、今日のこの機会がついに叶いました。ゴリさんのプロフィールや以前のインタビューを拝見して、じつは自分と意外な共通点があることがわかって、さらにびっくりしているところです。なんと我々は、同じ日大芸術学部の出身同志でした。
照屋：わぉ！ 僕は昭和47年生まれなので、福田さんの８歳後輩になります。…二浪していますけども（笑）。今年はちょうど沖縄本土復帰50年で、その復帰の年に生まれた僕らの年代は、沖縄では「復帰っ子」と呼ばれていたんですよ。
福田：復帰っ子。そうなんですね。メモリアルな時にお生まれになったわけですね。 そしてゴリさんは、もう15年間も映画を撮り続けていらっしゃることも知りました。僕ら……日芸の人は、大体みんな、映画が撮りたいわけじゃないですか（笑）じつは僕もそうで、日芸では映画サークルに入っていたんですよ。
照屋：えぇっ!？ 僕も、日芸の映画サークル入っていましたよ！ …公式の映画サークルといえば一つしかないので……もしや、サークルも先輩ですか!？
福田：なんと、そこも同じだった！ この偶然もすごいな（笑） 僕は日芸の時、「８ミリとかだせえ」なんて粋がって、1年生だけで16ミリ映画を撮ったんです。日芸は僕が在籍していた1985年頃に映像学科ができて、ビデオが登場したんですよ。それまではフィルム１本で３分14秒しか撮れなかったのに、いきなりビデオテープで60分撮れるようになって。なんか「はー……」って気が抜けちゃったんですけども、やっぱり僕は編集が好きで。だからそこでまた、「ビデオで撮るなんて、ダサいな！」とか思ってしまって（笑） もちろん、1985年当時は、ですよ。たしかに60分あるといくらでも撮れるけど、その分つまらないと思ったんです。
照屋：なるほど～。そうなんですね。でも僕は、在籍途中で吉本に入ったので、大学は２年で中退しているんです。当時、日芸は１～２年生は埼玉の所沢キャンパスだったんですけど、江古田キャンパスに移る年に辞めてしまって。でも、日芸を辞めてからも、住んでいるのはしばらく江古田だったんですよ。７年ぐらいかな？ 結構長く住んでいました。
福田：じゃあ江古田の街自体は、お詳しい？ 駅の近くにあった定食屋の「洋庖丁」っていう店とか、ゴリさんの時もありました？
照屋：ありましたよ！「洋庖丁」は大好きで、よく行ってました！「江古田コンパ」とか、ありましたよね～。
福田：「江古パン」懐かしい！
*(1) 2019年照屋年之監督作品。沖縄・粟国島を舞台に、奥田瑛二主演で描くヒューマンドラマ。国際的な短編映画祭で数々の賞を受賞し話題となった照屋年之監督の短編映画『born、bone、墓音。』を原案に、長編映画として生まれた。(ニューヨーク JAPAN CUTS観客賞受賞/アムステルダム シネマジア映画祭 審査員特別賞受賞/ トロント日本映画祭 最優秀作品賞受賞/モスクワ映画祭正式出品/上海国際映画祭 アジア新人賞部門正式出品/ ハワイ国際映画祭正式出品/島ぜんぶでおーきな祭-第10回沖縄国際映画祭上映作品/京都国際映画祭2018上映作品)
