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企業(タテ)と住民(ヨコ)が交わるところ

丸の内の週末を激変させた仕掛け人 都市活性化の名人に聞く、スマートシティ考(後編)  Talked.jp

水代:そうなんですよ。で、都市計画に対していま、「いちばん変わろう」っていうところでインパクトの強い言葉は、「ウォーカブル」という言葉です。みんなをもっと、歩きやすくさせる街づくり、という意味合いです。

福田:ウォーカブル。冒頭でご紹介いただいた、山口県鳴門市の湯本温泉の例もそうですね!

水代:そうです。もちろん、商店街などの街歩きが楽しくないとダメなんですけど、先程の行政を説得するような話と一緒で、「歩きやすくなる街=健康寿命が延びる街」というスローガンにしていくことで、福祉のチームも「歩きやすくなるために協力しよう」となっていくんですね。またスマートシティのチームだったりしても、「ストリートで自動的にコーヒーを注文できて配達できるような仕組みを考えよう!」となったり。みんながもっとたくさん「街の1階」を歩くことによって、他のセクションも協力してもらえる余地は結構あるなと確信しました。

福田:それ、本質かもしれないですね。大手ホームセンターのカインズが、2021年12月に業績不振だった東急ハンズを買収したじゃないですか。東急ハンズも、以前はカインズ同様に“Do It Yourself.”と謳って、未完成品を売りにするビジネスモデルだったけれど、いつの間にか、一部フロア以外はほとんど完成品の商品を売るようになっていきましたよね。より「未完成」な商品を売るカインズの方が勝ったのは、「不便を売りにする」という企業戦略の正しさだったと思うんです。だから「便利がよかった」という時代は終わって、一周回って不便を追求する時代になりつつある。だから、冒頭でご紹介したジャーナリストのジェイン・ジェイコブズが活躍した60年代が、今また必要になってきているということですよね。ジェイン・ジェイコブズも、「歩ける都市」ということに早くから着目していました。たしかに、「歩ける都市」って東京ぐらいじゃないですか。地方は車がないとどこにも行けないし。

水代:そうなんですよね。

福田:車移動で、ピンポイントだけの観光になっちゃう。僕、沖縄でも思うんですけど、スマートシティの実験をやるなら、沖縄もいいな、と。本当にみんな車社会になっちゃっているから、橘川さんのご著書じゃないですけども、途中の風景のことを全然知らないんです。名所になっている所にしか行かない。「おきなわワールド」に行って、「ひめゆりの塔記念館」に行って……っていうふうに。それじゃあ誰とも知り合えないし、何も活性化しない。東京だったら見ず知らずの人ばかりだから、逆に知り合えるチャンスがあるっていうことでいうと、出会い系アプリよりもやっぱりカフェで出会う、なんていうことが、実は現代にマッチするのかもしれませんね。

水代:おっしゃるとおりだと思います。

福田:面白いな。水代さん、そういうアフターコロナの新都市論の本、書いてください。

水代:いや、もう福田さんが書かれていらっしゃるから(笑) 拝読するのがとても楽しみです。

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