東京の人口は600万が理想
福田:竹槍攻撃じゃないですけども、「なんでも自国主義で!」という価値観の良し悪しと、企業と国家の関係など問題を整理した方がいいですね。 僕の意見はやっぱり小さな国家の単位のほうが、VUCA時代には国家を運営しやすいと思います。 東京は先ほどの匿名性を保てる機能を保持しつつも、今の人口の半分くらい、600万人くらいにするのがちょうどいいかもしれませんね。戦後、どうしようもなく肥大化した行政機関のスリム化、官僚主義から脱するためにも行政の断捨離が必要と想います。
奥:そうですね。そういう意味ではさっきの匿名性が分かりやすいですね。匿名性の度合いをどのくらい欲する個人なのかを基準に、居住地域を選べるというか。
福田:コミュニティーのレベルですね。
奥:そうです。そのレベルを三つくらい用意して。
福田:いいですね! それはよく分かります。僕、沖縄にずっといると好きなんですけど飽きちゃうんですよ。自然に飽きるのではなくて、知的興奮が得られないからなんです。それってすごく関係あるんじゃないですか。
奥:そう思います。というのは、知的興奮と東京の匿名性は関係がある。ほどほど知っているコミュニティーからは、自分が知りもしなかった話というのは、なかなか聞けないからなんですよ。(都会は)自分とは全然違う人たちが住んでいて、自分がまったく考えもしない、さまざまなカテゴリーでとんがっている人たちの考え、価値観を知ることができる社会になっているからこそ、知的興奮が得られるわけなので。おそらく、匿名性と知的興奮は共通する概念です。
福田:ピンときました。もやもやしたものが解けました。奥先生のものの見方は、非常に面白いです。だからやっぱり奥先生に国家を作ってもらいたいですね。まずはバーチャルに作ってください。まず、島根県あたりの知事になって、その後に独立宣言する流れで(笑)