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救急車は1回利用10万円に

医療未来学の第一人者と語る「死ねない時代」にフィットする国家像とは?(後編)   Talked.jp

福田:おっしゃるような「生きていく」ということのリアリティが、マスコミを通すとよく分からなくなることが多いです。先日の日経新聞には、「コロナで日本人、貯蓄6割増える」とあって。6割貯蓄が増えたんじゃなく、6割の人の貯蓄が増えた、ですよね。でもアメリカは減っているんですよ。

奥:それは、つまりお金を使わなかったってことですか?

福田:そうですね。節約していた。未来が不安だから節約していたんだろうという。

奥:ああ、なるほど。

福田:あと日本人は元々貯金があるからお上に対して、「生活費の補償をしてくれ」と言わない民族ですよね。アメリカ政府は、失業者に週1000ドル出したので、4週間で4000ドル。100円換算でも40万円。その時円は130円ぐらいでしたから結構いい金額になるので、勤めていた人までお金欲しさに辞めちゃいました。カルチャーの違いは、ここまで大きいのかなと。日本人はやっぱり良い面でもあるけど「コツコツ型」「ガマン型」だから、危機の時はじっとしていたんでしょうね。

奥:社会や政治、国家に期待していないから、お金を貯金するっていうことだと思うんですけど、そのわりに医療については「お金が出て当たり前」と思っていますよね。

福田:たしかに。アメリカ人は風邪をひいても絶対に病院に行けないから。

奥:日本においては、あまりにも昔から、水と空気のごとく「医療はタダ」っていう概念があります。

福田:そこは恵まれすぎているので想像力が足りない点かもしれません。救急車の運転手が休みなしで横転事故が起こすなど、不幸なこともありましたよね。ああいう事故をきっかけに、医療が無料であるということも部類によっては考えなきゃいけませんね。

奥:そう。だから救急車も、「利用料は1回10万円」とか決めればいいと思うんですよ。「とりあえず10万円払わないと乗せません」と。「でも合理的な理由があった人はお金を返還します」で、いいと思うんですよね。

福田:10万円いいですね。

奥:はい。僕の国家では、救急車は1回10万円。人口は6000万人。東京でいえば600万。

福田:あはは。それらが本日の奥内閣で閣議決定されたので、それを目指して頑張りましょう(笑) 今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。いやあ、楽しかったです。またぜひ、分っている未来の更新バージョンを教えてください!

奥:はい、また呼んでください。ありがとうございました。

(了)

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