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クラウドファンディング総まとめ

アートでクラウドファンディング!

福田:山本さんは、もともとはアートの世界にいらっしゃったんですね。世界的に言えば、アートというのは一つの産業になっていますが、日本は美術館での展示は別にして、これから出てくるアーティストやプライマリーギャラリーは常に資金不足で、あまりアートコレクターもいない。そういう中でクラウドファンディング活用に目をつけたというのは、ちょっと異質な入り方をされたわけですね。

山本:そうですね。私は最初、アートのことしか考えてなくって、入っていくうちに、クラウドファンディングという社会的な流れとぶつかったという感じが強いです。

福田:実際、そのとき、アートでクラウドファンディングのプロジェクトというのは起きたんでしょうか。

山本:うーん、2011年が日本のクラウドファンディング元年といわれているんですけども、まだアートとか、物作りとか、そういうプロジェクトはあんまり起きていなくて。やはり当時は、社会貢献系のプロジェクトがすごく多かったですね。

福田:アートとクラウドファンディングを組み合わせた面白い事例って、なんかあるんでしょうか。

山本:そうですね。2012年に森美術館という六本木にあるすごく大きい美術館で、会田誠さんいう現代のアーティストの展覧会をやろうと。会田誠さんって、ちょっとエロチックな、人々が「何だこれは」と眉をひそめるような作品を描く、コントラバーシャルなアーティストなんです。普通は企業からお金をもらって美術館で展覧会するんですけど、さすがに企業の協賛は得られないだろうということで、一般の人や会田誠さんのファンから展覧会のための資金集めをしたんです。平成勧進プロジェクトというのですが、それで3000万円集めました。

福田:知らなかったです。じゃあ、美術館側からの企画だったわけですね?

山本:そうですね。美術館の人たち、キュレーターやPRの人たちが「これは一般の人から集めよう」と自分たちで3000万のお金を集めて、会田誠さんの展覧会を実施することができました。そのときのクラウドファンディングでは、支援者に対して、会田誠さんの新作の一部をプレゼントすることにしたんです。どこにもない作品をもらえると、アートコレクターやアート好きの人、特に会田誠さんのファンから喜ばれたので、結果として、それだけの額が集まったんじゃないかなと思います。