沼田:一方で、日本のNPOはなかなか企業が思い描くまでの質には来てないという話も良く聞きます。欧米のように地雷を除去するスーパーテクノロジーを生み出せるNPOとかもっとあればいいのにと。
福田:いいですよね。何か車の技術者とか、そういうことをレバレッジにして、つくってみたよとかね。
沼田:そうですね。「以前他のパートナーさんからもそういうNPOはないのか」って聞かれて、「いや、まずそれを探すのが大変だと思います」って話をしましたけど。
福田:面白い。きょう、クラウドファンディングが気になっている聴講者の方で「俺、友達少ないけど、いろいろ企画もってんだよな」という方もいらっしゃると思うんですけど。そういう方がクラウドを利用する場合、どっから手を付けりゃいいですかね。
山本:まずは自分のアイデアを、5人の友達に言うことから始まります。その5人の友達を仲間に入れられない人は、ネットでアップしても人からお金集められないので。よく沼田さんともお話しているんですが、物ができるまでの道のりで、クラウドファンディングって最初の段階でやるものじゃないんですよね。何もない中からいきなりやるというのは非常にハードルが高い。まず「こんなことやりたいんだけど、どう思う?」といろんな人に話して、自分でちょっと図面を描いてみたりとか、試作品をやってみたりとか。そうやって少しずつ仲間を増やして、しっかりオフラインで準備した後、最後にクラウドファンディングをやる。そうすると、ポンと爆発して成功するんです。
福田:分かりやすかったです。沼田さん、どうですか。今、始めようという人に対して。
沼田:やはりチームというか、コミュニティーの協力を得ることは考えたほうがいいですよね。例えばですが、1年半前くらいにある脱サラされたサラリーマンの方がテキーラを輸入するプロジェクトを起案されたんですね。日本未輸入の銘柄はみんなで参加して輸入しよう!みたいな。初期のファンを作りつつ輸入コストを賄うという理由で、クラウドファンディング使っていただいたんですけど、彼らは日本テキーラ協会というところに協力をあおぐために事前にプロジェクトにプレゼンテーションしに行ったんです。
福田:売り込みに行くわけですね。
沼田:はい。クラウドファンディング始める2、3カ月前から「こういうことやるので、テキーラ協会でもバックアップしてくれないか」とお願いをし、少しずつ約束を取りつけていって。実際、プロジェクトが始まった後はテキーラ協会のメーリングリストとかが機能し、プロジェクト自体も成功しました。やはり準備に頭を使い、一個一個きっちり仕込みをしていくみたいなことが大事ですよね。
福田:ありがとうございます。最新鋭のクラウドファンディングの話をしているのに、オチがアナログなんで、安心しました。やはり僕がいつも言っていることと同じで、「とにかくたくさん友達つくって表へ出て、よく考えてエネルギーを発して、やんなきゃ駄目」ということで、「たくさん食べて、たくさん起きていて、なるべくうちに帰らない」というのを勝手な自分の結論にしたいと思います。