『仏教はニーズ(苦)とウォンツ(欲)の違いを教えるもの』(対談 青江 覚峰 氏 × 福田 淳 氏) | Talked.jp

Talked.jp

対談  青江 覚峰 氏 × 福田 淳 氏

駄目を受け入れる

青江:いろんな人がこういうことやりたいって、毎日のように来るんですけども。一番困るのが40過ぎで思い立って何かやろうって思った人。僕、「不惑の人」って呼んでいるのですが、こういう人は100パーセント駄目ですね。というのも、本当にこれが世の中に必要だって20代で思った人は、とっくにそれを行っていて、40のときはもう形にしてます。30で思った人は、動いている最中です。でも、40で思った人って、結局40までいくと、会社でどこまでいけるって自分で見えてきて、このままのここにいても頭打ちだと思って、妥協で他の道を探すんです。これはいいことだ、必要なことだ、って。

福田:逃げなんですよね。

青江:そう。逃げで、しかも思い込んでいたいだけなんですよ。だから、冷静に考えて本当にこれが必要だっていうわけじゃなくて、ただ思い込んでしまっている人が、勢いだけで来て。「じゃあ、そういうことをやりたいってことは、そういった経験があるんですか」って聞くと、「いや、ありません」って。「じゃあどうしてそう思ったんですか?」「いや、テレビのドキュメンタリーとかで見たんで」。そうすると、「別にそれ、あなたじゃなくてもいいんじゃないですか」っていう話になる。

福田:なかなか厳しい話ですね。

青江:本当に40でそうなってしまってから動くんじゃ、全然遅いんですよね。

福田:それすごくよく分かります。よく分かった上であえてお聞きするんですけど、僕は、小学生のときから自分のやりたいことがはっきりしていて、軌道修正はしますが、あんまり大きくぶれたことがないんですね。だから、若い人から「20幾つで悩んでどうしたらいいのかしら」なんて相談されても、あんまり僕は、言葉がないんですね。「何もやりたいことがないからといって、意味のない人生とも思わんよ」というアマチュアっぽいことしかアドバイスできないんですけど。でもおっしゃるとおり40で、もうどうしましょうって逃げかなんかで新しいことやりたいっていう人、確かに多いんですが、一方で僕自身、「年だから変われない」っていうことも受け入れたくないんですよ。実は、昔、上司が55くらいで、外資企業なので「360度調査」って上司だけじゃなくて、部下から評価されるのですが、世界60カ国から「おまえひでえやつだ」って烙印押された人がいるんですよ。すごいインテリで、キャリアも大学出てからハリウッドのトップまで登りつめた人なんだけど、部下の評価ひどいわけですよ。そしたら、その上司、根は真面目だから自分の性格を3年かけて変えたんですよ。

青江:すごい。