パワポの資料で経営者はくどけない
福田:つまり、「お金があることは悪くない」っていう話をしたかったんです。今、スタートアップっていうのは家入さんの影響もあるだろうし、いろんな人が出てきているからその影響を受けて、自分もそうなりたいっていう若者が多いのも分かる。例えば、「こういうエコなエネルギーの仕組みを作ると社会が救えるんです」「環境活動家のグレタさん万歳」みたいなことを言うと、お金が付くような感じがするじゃないですか。でも、そこには、圧がないっていうか。もっと、無茶苦茶なエネルギーがほしい。それが家入さんの言うところの“怒り”なのかもしれませんし。でもそういうことって、出資してほしいという人に対しては、なかなか言いにくいんですよね。
家入:そうですね。そこを見せるってなかなかできないですし。だからこっちも逆に、「どろっとしたものが入っている壺を割りに行く」というか。みんな、何かしらあると思うんですけど、そのどろっとした中身が見たいっていうのは、すごくあるので。
福田:好きなインスタグラマーを登録して、それをAIが解析して、それをアパレルでeコマースで出しますよって言われると、「はあ。全部入れてきたんですね」っていうね(笑)。全部入りみたいな企画。
家入:それはそれで徹底したら、逆に面白いかもしれないですよね。
福田:そこに貫かれている無茶苦茶なエネルギーが見たい。僕は、本当に恵まれた家庭に育って、何不自由のない暮らしをしてきて、さしたる失敗もなくここまで来たんです。でも人から見ると、「いろんなことあっただろう」って言うんですけど、でも言うほどないから。いろんな原体験がある人よりも、たぶん、さっきの話でいうと、自分は「どろっとしていない」。
家入:でも怒りのエネルギーみたいなのは、福田さんはお持ちじゃないですか。
福田:ああ、そういうのは人一倍あるかもしれません。特に芸能界の仕事をするようになって、怒りや理不尽さを原動力にやっているところはありますね。