「得たい」より「与えたい」の発想が大事
福田:ウガンダの人の月給って、平均300ドルなんですって。欧米の10分の1ぐらいなんですよ。
家入:本当ですね。
福田:だから失敗してもいいっていうことじゃなくて、失敗してもリカバーも早いだろうと思って、行ってみようと思うんですけど。だからウガンダの人とやりとりをするんですけど、皆WhatsApp*9)なんです。だから国によっていろいろ違うから大変だなと。中国ならWeChat入れたりして。
家入:たしかに。タイはLINEだし、いろいろバラバラですよね。
福田:あと、ベトナムだったらzalo*10)とかね。今、僕が顧問やっているQuanっていうキャラクターの会社は、ベトナムのキャラクターマーチャンダイジング、ナンバーワンなんです。アプリやると、全部入るまでがベトナム語で、一切自分ではできなくて、やってもらって。
家入:今の話で思い出したんですけど。「こういうことで起業したいけど、仲間が集まらないんです」っていうご相談もすごく多いんです。でも、そんなの当然で。道を歩いていて知らない人が声かけてきて、いきなり「僕、こういう活動しようと思っているんですけど、仲間になってくれませんか」って言われたって、仲間にならないですよね。じゃあどうやって仲間を集めたらいいかっていうと、まず「自分が誰かのために、何かをやることですよ」って言うんです。みんな、いきなり何かを得ようとするじゃないですか。「会ってくれ」とか、「お金を出してくれ」とか、「仲間になってくれ」とか。でも何かを得たいなら、まず自分から手伝うとか、ボランティアをやるとか、与えるところからやらないと、「お前がそれをやるなら、いつか応援するよ」っていう関係がそこではじめて生まれるわけであって。あまりにもみんな、自分が得るところから発想しがちですね。
福田:こっちも「若いからそうだろう」と思っちゃうのもいけないですね。
家入:本当は裏の目的があるのかもしれないけど、でもお互いの利害が一致して、ボランティアをやった結果、すごいいい関係になっていくわけなので。
福田:本当に、そうですよね。今回は家入さんのことを知りたい要素がたくさんありすぎて、すごい関心持ちました。今日はお時間いただいて、ありがとうございました。僕が今まで会ったことない経営者の方でした。
家入:本当ですか。
福田:だって、お見かけした感じもシャイで謙虚じゃないですか。僕、バブル世代のせいか、威張っている人が多いというか。ましてや社長の存在感をなくすることがゴールっていうのが新鮮でした。面白かったです。
家入:こちらこそ、とっても面白かったです。ありがとうございました。
*9)アメリカのWhatsApp が提供する、リアルタイムでメッセージの交換ができる世界最大のスマートフォン向けインスタントメッセンジャーアプリケーション。
*10)ベトナムのIT企業VNGが開発したモバイルメッセージアプリ。
(了)
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