もっとグローバル・ビジネスを愉しもう
福田:海外についてはどういったご活動ですか。
家入:東南アジアを中心に、という感じです。マイクロファイナンス*6)と呼ばれる、小口金融ですね。日本でお金集めて、東南アジアの農家の人に融資する、という感じで。
福田:ありますよね、牛を買ったら、5年後にリターンがあるみたいな。
家入:はい。カンボジアとかミャンマー、インドネシアなどのマイクロファイナンスをやっているっていうのがありますね。あとは少しずつですけど、台湾とか中国とかで、日本のちょっとサブカル的なゲームのキャラとか、Tokyo Otaku Mode*7)さんとかがやっているような。
福田:亀井智英くんのところですよね。
家入:そうです。クラウドファンディングとは、やっぱり相性が良かった。こっちでサクセスしたものをあっちに展開するとか、逆にあっちでクラウドファンディングやったものをこっちに展開するとか、少しずつやっているっていう感じですね。
福田:メルカリ以降、「アメリカってどうなんですか」みたいなことは聞かれませんか。
家入:そうですねぇ。クラウドファンディングだけで言うと、アメリカにはKickstarterとかIndiegogoとかがすでにあるので、僕らがわざわざっていう感じでもないですね。どっちかって言うと、東南アジアとか。
福田:そうすると、アフリカなんてどうなんでしょう。
家入:アフリカもすごくいい気はするんですよね。うちの会社に一人、ケニアの男の子が働いているんですけど、FinTech(フィンテック)*8)みたいな文脈でもアフリカはすごい進んでいるので。SMSだけで送金できたり、引き出したりとかできるから。
福田:そうですよね。今度、僕、初めてウガンダに行くんですけど。モデル事務所をやるんです。あとはNetflixみたいな「eebo」っていうところの役員もやっているんですけど。ウガンダって人口が6000万人いて、インターネットの普及率が4分の1なんです。だから1990年~95年ぐらいの、日本のムードなんですよね。みんなテレビが大好きで、ペイチャンネルいっぱいあって、ケーブルテレビがあって。
で、なんでモデル事務所かっていうと、関わっているところのトップが「超デブ」か「超スキニー」しかいなくて。おデブの人は、アフリカ国内でしかモデルのニーズがないんです。スキニーなモデルさんは洋服が映えるので、ヨーロッパので、ヨーロッパのEコマースサイトとか、ファッションサイトでニーズがあるっていうんですね。本当にそうなのかどうか、実際に自分がオペレーションに関わってやってみたらどうなるか、見てみようと思うんです。これって僕が中国進出した時と同じで、同じ地球なんですけども、火星とか土星に行くような感じだろうなと。つまり自分は超外人で、わけの分からない星から来ていて、どれくらいうまくいくか自分を試してみたいっていう。普段人任せなものが多いから、自分でやってみたいなと思ったんです。「金庫はこうやって付けるんだよ」とか、今までのノウハウを結集させて、ウガンダの人に広められたら、と。
家入:面白い。
*6) マイクロファイナンス(小規模金融) とは、貧しい人々に小口の融資や貯蓄などのサービスを提供し、彼らが零細事業の運営に役立て、自立し、貧困から脱出することを目指す金融サービス。
*7)国外向けに日本のサブカルチャーコンテンツであるアニメ、漫画、ゲーム、音楽、ファッションなどの情報発信や商品をインターネットを通して通信販売するEコマース事業の会社。共同創業者/CEOは亀井智英(かめい・ともひで)氏。http://otakumode.com/
*8)FinanceとTechnologyを組み合わせた造語であり、ファイナンス・テクノロジーの略。 「ICTを駆使した革新的、あるいは破壊的な金融商品・サービスの潮流」などの意味で使用される。