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本の目次は、最大・最良のメニュー

世界を編集する、ということ~編集者と経営者のアップデート術とは  Talked.jp

福田:よくわかります。雑誌で例えていただきましたが、一冊の本ではどうですか。

堤:まず、ある1冊の本に目次を付けます。著者が目次立てを、つまりコースメニューを考えて、原稿を書いていく。それを考えるプロセスで編集者が手助けすることもよくあります。逆に、完成原稿から目次を抜き出していくという、「あとからメニューを作る」作業の場合もあります。ある書き手は、毎日400字詰め原稿用紙に10枚ずつ書いていって、それを半年続けて、1200枚、あるいは1500枚にも達する原稿を書き上げる。それを見ながら「第1章○〇〇」「第2章◯◯◯」、さらに各章で「第1節△△△」……と章題、節題を付けていく。これはできあがったフルコースからメニューを逆算的に作っていくやり方です。
ちなみに、小説の本の場合は、目次は簡素だったり、ないこともあります。目次立てが詳しくなるのは、学術書やノンフィクション系の書籍が多いですね。
目次というのは……ちょっと脱線しますけれど、人類が考えた、本に対するものすごい付加価値なんです。大昔の本は、ただ字が書かれているだけでした。テキストすなわち文字玉の列。でもそれだけだと、1冊の本を全部読み通してみないと何が書いてあるかわからないですよね。そこに目次を付けることによって、書店でぱっと見た時に、「この本は面白そうだな」とか、読む価値があるかないかの判断材料になるんです。

福田:そうか。メニューから見ているから、目次が大事だということですね。

堤:そうなんです。目次の分かりやすさとアピール性が重要です。同じ美味しそうな料理でも、なんだかよく分からない説明がグチャグチャと書いてあるものより、今日は「ジューシーな◯◯豚のとんかつ」って書いてあるほうを、ランチには食べたいよね!と思うかも知れないじゃないですか。それと同じで、目次はやはり最良のメニューであるべきなんです。だから目次をいい加減に作っている本は売れないですよ。ノンフィクション系ではとくにそうです。

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