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人は死ななくなっている

医療未来学の第一人者と語る「死ねない時代」にフィットする国家像とは?(前編)   Talked.jp

福田:ちょっと話は変わりますが、僕はメタバースって、いまのブロックチェーンのベースでは「来ない」と思っているんですよ。もしそれが有効な世界であるならば、ロシアはバーチャルウクライナを獲得できればいいわけですよね。でもリアルな場所に意味がある。キーフという場所に歴史的な価値があって、政治的にも近年の問題があって攻め込んでいるんでしょうけれども。でももしVRの中だけで満足できる要素があるなら、なぜリアル戦争がまた起きてしまうのか。それは単にDXが遅れただけなのか、ちょっと悩ましいところがあります。

奥:あと100年か200年か分かりませんが、戦争はなくならないと思うんです。だからウクライナ問題もメタバース空間で戦争して、それで勝てばもう無血革命的に明け渡して、負けたら諦める。そうしたらたしかに誰も死なないですよね。そういう戦闘ゲームみたいなのをプーチンとゼレンスキーでやればいい。技術的には5年10年でもできそうですよね。

福田:先日、戦争に関する本を読んだのですが、現代は19世紀と比べて、20世紀と比べて、すごく平和になっていることが数字で証明されていました。最近の戦争で死んだ人は激減している。これについて、亡くなった方やその関係者の方には申し訳ないんですけれども、ウクライナの侵攻で亡くなった人の数は、以前の戦争と比べるとすごく少ないんです。色々な過去の戦争当時の人口比で、人を殺した確率が高い戦争トップテンのリスト見たんですね。中国と中東が多いんですよ。近代化が進んで無人ドローンで施設だけを壊すようになると、戦死する人も減っていった。もちろんいまも戦争は起きるんですけど、数字上で見ると平和になっているんですよね。

奥:コロナによる死者と、昔のさまざまな疫病による死者の数の推移と、それはまったく同じ構造ですね。かつてのペストなどは、ヨーロッパの3分の1の人が亡くなったわけですから。

福田:「人類の何分の1」レベルの規模ですよね。だから医療はもちろん、戦争という文脈でも、数字上は確実に「人は死ななく」なっている。

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