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ブランディングの仕事とは何か

ネットを捨て街に出よ ~五感に響く生き方がすべて~ Talked.jp

福田:ひと言で「ブランディング」と言っても、日本ではこの仕事に対する認知が高くありません。一方の「広告=アドバタイジング」というのは要するに宣伝ですから、企業では広報とか、宣伝部の領域になります。費用対効果を最優先に考えて、「この案件に対して、どれだけの効果があったのか」ということが問われるのがアドバタイジングに対し、「ブランディング=フォーエバー」なんですね。

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例えば、ロレックスは300年かけて、ロレックスというブランドをつくったんですけども、フランク・ミュラーは1986年に生まれて、わずか20年ぐらいでブランドになりました。「ブランディングというと、創業から100年はかかるでしょう」と企業の方々はおっしゃるのですが、そんなことはないんです。技術のイノベーションがあったり、デザインのイノベーションがあったり、「本当にいいもの」を作っていれば、方法によっては極端な話、2、3年でもブランディングはできます。

ITの後輩で、フリマアプリ「メルカリ」を運営している、株式会社メルカリの山田進太郎さんという素晴らしい人がいます。彼の場合は、スタートアップの段階からブランディングのことを考えていました。最近のメルカリでは、領収証を売る人が出てきたりして、多少問題も起きていますけれども、最初の設計が素晴らしいので、企業としては非常に成功していますよね。ブランディングというのは、このように一見、目に見えないようなものなのです。

キャンペーンだとか、短期的な成果を求めるアドバタイジングとは対照的に、ブランディングというのは長期的なものです。つまり、その企業が社会的にどのようにコミットメントをしているのかについて、長期的なスパンで考えるものです。

ブランディングとアドバタイジングの違いをひと言で言うならば、「企業価値を高める施策をやるかどうか」。

例えば、ある企業の社長のインタビューを見たら、非常に夢があったとか、素晴らしい社会貢献の視点があったとか。そういったことは、アドバタイジングではできないわけです。ブランディングの当事者は、社長などの経営者であり、アドバタイジングは宣伝部。いわゆる「商品価値を高めるプロモーション」というのは、アドバタイジングの範疇です。価値基準としては、ブランディングは上場企業や株価。アドバタイジングは費用対効果や販売結果となります。

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