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情報収集のコツとは何か

ネットを捨て街に出よ ~五感に響く生き方がすべて~ Talked.jp

福田:今日は図々しくも会場の入り口に、先月発売された自著を置かせていただいててるんですが。その本の帯に登場してもらっている、のんの「福田さん、いつもふらふらしていますが」という言葉どおりに、僕は本当に家にいないんです。自分でも、「よくこれだけ外にいられるな」というぐらい、ずっと外にいます。すると街で起きていること、つまり1次情報に触れる時間が圧倒的に増えるわけです。

 たとえば後輩が、「福田さんから聞いた面白い話、後で検索したけど全然出てこないですよ」と言われますが、そりゃそうなんですよ。世界人口70億人のうち、ネットでアクセスできる人は25億人です。Facebookの創業者のマーク・ザッカーバーグがアフリカにどんどんWi-Fiの衛星を打ち上げていますけれど、それでもまだ、世界の半分の人はネットアクセスができていないんですね。だから「情報はネットに全部ある」なんて思わされているのは、小さい世界の中の宗教的共生だと思うんです。まだ街でしか体験できないことは、まだまだたくさんありますから。

学生向けの講演会に呼んでいただくと、「どうすればモテますか」とか「どうすれば希望の就職ができますか」という質問をたくさん受けます。モテるといったって、たくさんの人にフラレなければ、モテないと思うんですよね。就職といったって、やっぱり100ぐらい応募して、打率2とか3だと思うんです。

舘鼻則孝さんという、レディー・ガガのシューズデザインで有名なファッションデザイナーの方と懇意にさせていただいているのですが、弱冠32歳で、世界で3人の顧客しかいないデザイナーということで、「一体どうやってあなたは有名になったの?」と聞いたんです。すると、「自分のデザインした革靴を履いてほしい」と、セレブ100人に慣れない英語でメールをしたのだそうです。それで、レディー・ガガの代理人から連絡あり、今に至るわけですね。だから、別にネットになろうが、手紙だけしかない時代だろうが、成功する人は行動を起こすわけです。

 僕は映画監督にはなれなかったけども、14歳の時に『スター・ウォーズ』を観て、映画監督になりたいと思いました。それで中学3年生のときに作った自主映画の作品を大林宣彦監督、大森一樹監督、森田芳光監督、とにかく当時の日本映画の監督に、いっぱい手紙を書いたんですよ。そうしたら高林陽一さんという京都の映画監督の方が実際に会ってくださって。「面白い」「君は16ミリを撮れ」と、高校1年生の時に制作費を30万円も出してくださったんです。当時の友達は、「福田、すげーな」って言うんですけども、ちゃんと手紙を出したり、会いに行ったりして、高校生なりに社会との接点を見いだそうと、行動していたからなんです。

だから今でも僕は、街をうろうろしています。ましてや今はネットがありますから、会えない人っていないですよ。全然知らない人に「会いたいです」と連絡をしても、相手も僕のことを検索してくれて、会ってくれる。会いに行くこと、街に出ることが、情報収集の最大のコツではないでしょうか。

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