パターン認識からの脱出が課題
福田:今の日本を見ていて、自分がどういう役割で、何を変えていけばいいのかをよく考えるんですよね。最近、知的に興奮できる要素があまりにも日本に少ないので。それはたまたまベンチャー投資の案件を見ているから思うんですけど。「Google X」といって、Googleのサンフランシスコにある次世代技術の開発を担う研究所があるんですよ。そこに世界中のすごい途方もないアイデアが集まるんです。半分はアメリカで、残りのまあまあな割合で、日本からもアイデアが出るんですね。Googleマップやストリートビューも、じつは日本人のアイデアなんですよね。
芳野:そうなんですか。すごい。
福田:日本ではそのアイデアに投資する人がいないから、つまり理解できる人がいないから、Googleに出しちゃうんです。つまり資金も目利きも少ない。だから、そういうことをどうやったらもっと増やせるのかなというのが日本の課題でしょうね。
芳野:福田さんはどういう手を打っていこうと思ってらっしゃるのですか。
福田:ビジネスコンサル付きエンジェル投資(創業間もない企業に対し資金を供給する富裕な個人)を加速させようと策を練っています。新規事業を起こす時に、アメリカ人は「ゲームプランを練ろうぜ」って言うわけです。でも日本人って、ビジネスプランのことをゲームプランとは呼ばないですよね。でも、新事業ってやってく中でルールが変わるので、目まぐるしくピポッド(業態変更)が迫られる。でも、ゲームのルール(=ブランディング)がしっかり出来ていれば、それでいいんです。そういうセンスを磨けるようなスタートアップイベントをやりたいと考えています。でも、日本のスタートアップのアイデアは、ありそうなものの組み合わせだけで起業しようとするものが多いように思います。例えば、「インスタとAIを結び付けてeコマースサイト立ち上げます」とか。とかく、パターン認識的なものになってしまいがちだと思う。