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中国のライブ感を知ってほしい

グローバル時代のデジタル・ブランディング思考法 ~WASEDA NEOトークセッション~ Talked.jp

福田:やっぱり、さっきも出た「数字でものを見る」。これ、日本人はものすごく不得意ですよね。僕なんかもう、公文式を全部義務教育にしたほうが、着物を全部着ろっていうよりよっぽどいいんじゃないかと思いますけど(笑) 日本人の良さっていうのは、人に教えるのがうまいところだと思うんです。だからこれを活かすことが、一つの大きな産業になるんじゃないかな…というのが持論なんですけども。

陳暁:日本は丁寧なことが一番の売りだと思いますよ。やっぱり日本と仕事しているのと、中国と仕事しているのだと、圧倒的に日本のほうが楽です。日本は律儀にメールして打ち合わせ日決めて、決まった金額で進むじゃないですか。中国はそうならないので…。

福田:ならないですよね(笑) 約束守りませんよね、会う時間とかね。

陳暁:ウィチャットグループが無数にあって、今日言ったことを覚えてないし、資料を送っても見てないし…もう大変なんです。先方が思いついた瞬間が納期なので、いつまでなどという猶予もない。で、24時間メール来るし(笑) だから、日中で頭を切り替えるのが一番大変で。

福田:まだ全然中国ビジネスの素人ですけど、僕の感覚では、仕事先のCEOと会って、そのときに「何をやる」「いくらでやる」「どうやる」「ロジスティクスどうする」「いつ納品する」…って、そこまでやらなきゃダメですね。離れてしまうと全部忘れられちゃって電話する…みたいな。この繰り返しですから。

陳暁:そこまでやるのが一番安心しますね。そのライブ感を楽しめるかですね。

福田:今日皆さんにわかってもらいたいのは、この感覚値なんですよね。日中でビジネスをやるときの感覚値。ものすごいダイナミズムがあって、理屈に合ったやり方で物事が進まないってとこなんですよ。…飛行機に乗り遅れても平気だっていう、そういう感覚で大陸の人と付き合わないと、お金も振り込まれないし、何も起きない。

陳暁:そうですね。選択肢を自分にたくさん残しておくと何かが当たるので、いっぱい餌まいておくっていうのは大事だと思います。中国は。例えばまだ結婚してなくて、守るべき家庭がなくて若い人は、会社をコロコロ変えて、いろんな経験を積んだほうがいいと思いますよ。そっちのほうが30代以降、守るべきものができたときに資産になると思います。

福田:ジョブホッピングの平均値、数字を僕は見たことがないですけど、これも中国とサンフランシスコ…アメリカはニューヨークとかもそうですけど、アメリカと似てると思うんですよね。日本人なんて、大卒で40年間勤めあげちゃうんですよ。で、60歳になったら「嘱託で半分の給料になるけど、65歳まではいいよ」って言われて。それが終わっても35年ありますからね、まだ。だからそう考えると、生き方の設計も大陸的に変えていかないと、「老後資金2000万貯めりゃいい」ってもんじゃないし。

陳暁:中国は今年・来年頑張ったビッグマネーで投資を回して生涯生きる。日本は、60年頑張ったあとの年金や退職金を頼りに頑張るんですけど。あとは払ったローンを返さないといけないとか。人生の時間軸と生き方の方式が全然違いますね。

福田:そうかもしれない!

陳暁:日本は「死ぬまで」で見ていませんか? 中国はまあ「今年・来年まで」って感じです。

福田:社会制度の違いが、そういう思想を生んだ可能性もありますよね。ちょっと中途半端な生涯補償がある民主主義を、たまたま取っちゃったんですね。だから、そういう実験主義の中での良し悪しを変えられない政治があって、全体としてはそうなっているけども、でも一部の早く気がついた人は野生の直感を働かせて、中国ビジネスマンに習って切磋琢磨できれといいな…と、今日は思いました。今日はエキサイティングなお話、本当にありがとうございました。

陳暁:こちらこそ。ありがとうございました。

(了)

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