世界征服を考えると、ヒトはもっと生きやすくなる
（前編）
編集：井尾淳子
構成：田口みきこ
撮影：越間 有紀子
日程：2021年5月26日
中田 考（写真／左）
1960年生まれ。イスラーム法学者。灘中学校、灘高等学校卒業。早稲田大学政治経済学部中退。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。カイロ大学大学院文学部哲学科博士課程修了(Ph.D)。1983年にイスラーム入信、ムスリム名ハサン。現職は同志社大学一神教学際研究センター客員フェロー。『13歳からの世界征服』『70歳からの世界征服』（百万年書房）、『私はなぜイスラーム教徒になったのか』（太田出版）、『みんなちがって、みんなダメ』（KKベストセラーズ）、『イスラーム法とは何か？』（作品社）、『イスラーム入門』（集英社）など、著作多数。
Twitter https://twitter.com/HASSANKONAKATA
福田 淳（写真／右）
1965年大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。 ソニー・デジタルエンタテインメント創業者。横浜美術大学 客員教授、金沢工業大学 客員教授。ブランディング業務以外にも、女優”のん”などのタレントエージェント、北京を拠点としたキャスティング業務をはじめ、国際イベントの誘致、企業向け「AIサロン」を主宰、ロサンゼルスでのアートギャラリー運営、沖縄でのリゾート開発、ハイテク農業など、活動は多岐にわたっている。タレントと日本の芸能界にはなかった「米国型エージェント契約」を導入したことでも話題を呼んだ。
モザンビーク支援のNPO法人「アシャンテママ 」共同代表理事、NPO「タイガーマスク基金」の発起人をはじめ、 文化庁、経済産業省、総務省、内閣府などの委員を歴任。
2022年４月30日『スイスイ生きるコロナ時代』（坂井直樹氏と共著／高陵社書店）を上梓。著書に『パラダイムシフトできてる？ ～ポストコロナ時代へ』（スピーディBOOKS）『SNSで儲けようと思ってないですよね～世の中を動かすSNSのバズり方』（小学館）がある。
公式ウェブサイト http://AtsushiFukuda.com
“ごく普通”の日本人です
福田：冒頭からいきなりですけれども、もうねえ、僕は中田先生のご著書『13歳からの世界征服』（百万年書房）でグッときました。いや、本当に驚いて。タイトルが13歳だから、僕55歳なんで読んで大丈夫なのかな？と思ったんですけれど、読んでみたら「えっ、今からでもいけるじゃん」と。
中田：（笑）
福田：でも、もう一冊の『70歳からの世界征服』（百万年書房）のほうは、やや辛辣（しんらつ）ですよね。ちょっと厳しめなので（笑）、13歳のほうから読みました。これを読んだら「中二病ってならないのでは」と思いました。
中田：そうですね（笑）
福田：改めて、中田先生とは今日初めてお会いできました。よろしくお願いいたします。失礼ですけど「どういう方がこういう考えをお持ちになるんだろう？」と思って、楽しみにしていました。
中田：いやー、自分では別に、ごく普通の日本人だと思っているんですけどね（笑）
福田：「ごく普通」ではないと思う（笑）
中田：昔からそう思っているんですけど、なんかちょっと違うみたいですね。生まれたのは記憶にはないんですけども岡山県です。で、まあ記憶があるところでは、芦屋、西宮で育って、それから大学入学で東京に出て来ました。 大学は、東大を受けたんですけどこれは落ちて、早稲田で仮面浪人していたんです。1年間浪人して、それで東大を受けたら通ったもんで、東大に変わったんですね。それからいろいろあって、カイロ大学に入って、そこで学位を取りました。
福田：大学時代に、もうカイロに。
中田：東大に入ったときは、別にイスラムの研究をするつもりもなかったというか、そもそもまだ、なかったんです。で、2年生のときに、イスラムの研究室ができたんです。面白そうだなと思ってそこに入って、勉強して修士まで出たのですが、いろいろ主任教授と意見の違いがあって……。「お前こそ出て行け」と思ったんですけれど、やっぱり自分が出て行かないといけないかなと思って（笑）。それでカイロに行くことにしたんです。学位を取ったあとは、サウジアラビアの日本大使館で、専門調査員というものを２年やりました。それから帰ってしばらくぶらぶらしていたときに、山口大学から声を掛けていただいて、山口大学には10年ぐらいいたのかな。それから同志社大学に呼ばれて、同志社にも10年ぐらいいて、現在に至るっていう感じなんです。
福田：なるほど。わかりやすい自己紹介をありがとうございました。
