心配してもしなくても、結果は同じ
福田:僕、今日ぜひお聞きしたいことがあったんです。それは50歳とか60歳とかの人が、コロナ禍でテレワーク主流になったことで、「本当は使えないじゃん」とか、いろんなことを言われるようになってしまったんですよね。つまり、今まで表に出なかったことが、炙り出されちゃった。そこでそういう人たちを元気づけられるような観念とか考え方ってありますか?
中田:そうですね。13歳でも70歳でも同じなんですけど、「無理矢理に元気にならなくてもいい」っていう話であって。
福田:おぉ……。つまり、引きこもりなら引きこもりでいいじゃないか、ということでしょうか。
中田:そうそう。引きこもりでいいんだよと。落ち込んでいる人間は、別に無理矢理元気になる必要もないので、そのままでいいっていうか。むしろ、そう思うことのほうが楽だということなんですよね、結局。
福田:ああ。「変わらなきゃいけない圧力」みたいなのがありますもんね、社会に。
中田:そうなんですよね。
福田:「そういうことから解き放たれろ」と。
中田:ええ。で、そもそも心配する必要がないというか。もちろん、日本の未来は暗い……ではあるんですが、とはいえ日本はまだ、全員飢え死にするような国でもない。ですから、ただ生きていればいいという感じです。
福田:ちょっと何万キロか離れれば、戦争が突然起きちゃったりして、市民の暮らしにも爆弾が落ちてきちゃったりするわけですもんね。
中田:そうなんです。何もしてなくても、まあ貧しくても、一応まだ生活保護のシステムとかが機能しているので。そして最終的には、結局誰もが死ぬということなので。だから別に、心配しても心配しなくても、どうせ人間は死ぬわけですからね。
福田:中田先生のお話を聞いていると、なんだか静かな心になってきました(笑)