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キャリア成功の秘訣は 「プランド・ハップンスタンスセオリー」

リケジョ・武道家・女優リーナ・リー

福田:そして梨衣名さんはある時、モデルオーディションがきっかけで、雑誌『CanCam』の専属モデルになったんですよね。その年頃の女性からみると、超憧れの職業でしょう? 専属になってバンバン雑誌に出るような毎日というのは、実際はどうだったんですか?

リーナ:それも勉強でした。大学に入るまで、私は自分で服を買ったことがなかったんですよ。全部お母さんに買ってもらっていたので……もう、勉強しかしてこなかったんです。お母さんがスーパーで買ってくれた服をずっと着ていたし、「制服っていいな」とすら思っていて。だって、土日も着れるんですよ(笑)  塾に通う時も、制服で行けばいいと思っていたくらい。なので専属になったばかりの頃は、「ファッションって一体何だろうな」と思っていました。

福田:すごいな。まったく真逆だ。

リーナ:まったく真逆です。『CanCam』の専属になったきっかけも、この業界に入るきっかけとつながるんですけど、30000人くらいの応募者の中でモデルオーディションのグランプリを受賞しました。二次審査の時にいろいろな雑誌の編集部の方たちがわっと見に来られたんですね。そこで『CanCam』の編集部の人と『Popteen』の編集部の人に個人的にお声がけをいただきました。でも、どちらの雑誌のこともあまりよく知らなくて。『CanCam』のことは名前だけは知っていたんですけど、年齢層とか系統などは詳しく知らなかった。なので同じ部屋にいた、オーディションを受けに来た女の子たちに「Popteenって?」って聞いていました(笑)

福田:なんならグーで殴られるとこだね、それ(笑)

リーナ:もう本当にそんな感じで。「えっ、知らないの!~」みたいな感じでした。

福田:あるんだよ、そういうことは。大学で広告研究部にずっといるのに、就職で広告代理店に落ちまくっていた人とかいました。だから、知りすぎるとダメなんだね。その隙をスパン!と、リーナはついていったわけだよね。

リーナ:そういう感じなんでしょうか。それで、最終的に『CanCam』の専属になりました。それが18歳の時です。高校の友だちがモデルになろうと思っていて、「じゃあ一緒に受けようかな」となったのがきっかけだったので、その子のほうが業界についてはよく知っている感じでしたね。

福田:そういうことを「プランド・ハップンスタンスセオリー」(*1)というんですよね。ひと言で言うと、何となく直感でキャリアを築いてきた人ですね。といってもそれはとってもポジティブな意味合い。だって昔はそういう導線はあまりなかったから、目指したものを「石の上にも三年!」とか言われてしがみつく人が多かった。僕もリーナと似ているところがあって、「コロナになった」→「東京にいるのが怖いな」→「じゃあ沖縄に行こう」→「土地があるから、沖縄で農業をやろう」「リゾートをやろう」……って、何の計画性もないよね。だけど始めると、やっぱりムキになって、成功するまでやめないんです。

(*1)1999年にスタンフォード大学の教育学と心理学の教授であるクランボルツ教授によって提唱された理論。 「キャリアというものは偶然の要素によって左右されるものが多く、偶然に対してポジティブなスタンスでいる方がキャリアアップにつながる」という考え方のこと。

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