ポージングも「理系式」で会得
リーナ:私も、撮影の時のポージングなんて習ったことがなかったので、すべてモデルになってから、現場で学んで覚えました。「プランド・ハップンスタンスセオリー」です。先輩で、一流のモデルさんがたくさんいらっしゃったので、現場が教室です。パイプ椅子をカメラマンの横に置いて観察して、「こうやって動くんだ」ってずっと見ていました。で、撮り終わったら、写真をセレクトするのも編集部なので、「選ぶ時にまた来ます!」って言って編集部に行って。自分の写真だけじゃなくて、先輩たちの写真も出していただいて、「この先輩はポージングにパターンがあるな」って気付くんですよ。
福田:ポージングに?
リーナ:はい。それも全員違います。スカートが得意な人とか、パンツが得意な人とか、鞄を持つのが得意な人とか、表情が得意な人とか……みんないるので。だからそこを分析して……。ちょっと理系が出ちゃうんですけど(笑)
福田:すごいね、プロファイリングするわけだ。面白い。
リーナ:「この先輩は、足を開いてクロスして曲げて、開いてクロスして曲げて……これをターンして上だけを動かすんだ」とか。
福田:リーナ自体がロボット的思考なんだよね。ロボティクスで、ディープラーニングしているわけですよね。それでリーナ流ファッションポージングは、その後どういうものに進化したんですか?
リーナ:全部組み合わせました。足の動きをパターン化して、さらに……あとはストーリー性を持たせるモデルさんもいるんですよ。
福田:すごいよね~。
リーナ:たとえば、白バックの前でワンピースを着て鞄を持って、コロコロ表情を変えるんですよ。(何だろう?)と思ったんですけど、「あ! 彼氏と待ち合わせして、会えるまでのストーリーだ!」とわかって。家から出て、タクシーを拾おうとして手を挙げている場面とか。カメラを彼氏に見立てているような表情もありましたよ。編集部の人が、「◯◯ちゃんは、こういう感じで(撮られ方)を演じているんだよ」とか教えてくださるので、そういう目で分析すると、やっぱりそうだ!とわかって。