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日本は中国の下請けになっている

グローバル時代のデジタル・ブランディング思考法 ~WASEDA NEOトークセッション~ Talked.jp

福田:そう聞くと、今の日本は、知識とか事例、つまり「ナレッジ」を蓄積できるような教育がなされてない。学ぶ場がないっていうことは、それだけどんどんバカになっていっちゃうわけですから、将来的に中国の下請けになってしまうことも考えられますよね。 昨年、有名な中国の映画プロデューサーの方と北京で食事したとき、「日本の映画スタジオを借りることはできるか?」と聞かれたんです。東宝とか東映とか日活とかですよね。理由を尋ねたら、「上海も北京も、スタジオ代が高いからさ」って言われたんですね(笑) これ、衝撃受けますよね。日本人はずっと、中国を下請けだと思っていたんですよ。ところが、今は中国のほうが物価は高いから、日本が下請けなんです。僕、そのあとにショッピングモールに行ってブランドのシューズを買おうと思って、視察も兼ねてブラブラしたんですよね。そしたら、ある日本ブランドの靴が550USドルだったんです。それで買おうとしたら、同行の中国人の友達が「銀座で買ったら?」って。「何で我々中国人がわざわざ銀座に行って買っていると思ってるの?」って言われたんです。で、銀座で同じ靴を見つけたら300ドルだったんです。当たり前だけど、「爆買い」ってそういうことですよね。つまり、それがもう産業規模で起きちゃっているので、「銀座でショッピングもできるし、映画の撮影もスタジオも人件費も安いし、上海で撮るよりいいや」って。これは普通の話ですけど、そんなことが起きてるなんて、日本のエンタメ業界の方は知らないと思う。ですから夏代さんが最近いろんな日本人の日中のマーケティングの話でモテモテなのは、まずはそういう現状を知りたいからではないでしょうか。

陳暁:そうですね、日本ではまだ中国人が日本のインバウンドの理由を「日本好き」とだけ捉える方も多いですが、実際は安くて近いというシンプルな理由だったりします。トレンドは中国の進化速度が意外と速すぎて、私自身もついていくのが大変ですが。

福田:夏代さんは、上海出身でいらっしゃいますよね? そういう意味では、マーケッターとして本当に日中のことを熟知しておられる第一世代ですよね。

陳暁:中国人でもあまりいないですね。要は、みんなついていけてなくて…。現地の私と同世代の友達も。それこそ同世代の友人はもう自分のポジションがあったり、会社を作ったりしていますが、みんな市場の変化に適応しながらも、今できることを最大限やっている感じですね。

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