大学で油絵を専攻した理由
福田:現代美術では、どういう作家が好きですか?
彌永:当時はとくに、好きな作家はいませんでした。でも初めて高校で現代美術の展示を見たときに、「自分はこういうイメージ、こういう感じのことがしたいのかな」と思いました。そのときは、東京都の現代美術館で、村上隆の作品を見たり、東京のICCという……。
福田:オペラシティにあるNTT インターコミュニケーション・センター(ICC)ですね。ハイエンドな展示が多いですよね。
彌永:そうです。そういうところの展示を見て、「こっちの方が面白いな」と思ってビビビッときて。
福田:やっぱり原点は、お父さんのおさがりの、タブレット付きのパソコンでお絵描きをしていたことだから。で、大学の油絵専攻は、どういう感じだったのでしょう。
彌永:京芸(京都市立芸術大学)は現代美術寄りというか。普通に描いてもいいし、立体を作ってもいいし。映像をやっている人もいましたね。
福田:メディアアートもあり、と。
彌永:はい。入学当初は、「絵を描きたい」という気持ちが強くて、京芸の油絵は、「絵を扱っていればどういう媒体でもいい」という、広い感じだったのがいいなと思って。
福田:なるほど。