Raspberry Piとの出会い
福田:元データはUSBか何かですか?
彌永:そのときから、「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」*を使っていました。最初はメディアプレイヤーを使っていたんです。USBメモリーとかSDカードに映像のデータを入れて映せるように。
福田:フォトフレームみたいな?
彌永:おそらく、それと同じような用途で、大きいモニターに映像作品を流すときに差して使うものですね。まだ売ってると思います。ただ、その手のものは中古のモニターだとけっこう問題があったりして。今は画面比率16:9が一般的じゃないですか。でも昔のモニターだと……。
福田:4:3だから。
彌永:はい。とにかく、差して出力することしかできないから。設定を変更しても画像はクシャッと歪んでしまったりしていました。
福田:16:9で描いているのに4:3になるということ?
彌永:4:3で描いている絵が、黒帯をしっかり付けておかないとキュッと横長になったりしてしまいました。あとは「○分○秒」などの時刻が急に表れたり。いらない情報が出るのが嫌だなと思ったときに、構想設計の専攻出身の先生から、「Raspberry Pi」のことを教えてもらったんです。
福田:構想設計は、メディアアートを扱うコースですか。
彌永:はい。その先生が「僕は使ったことないけど、映像系の人はRaspberry Piというのをよく使っているよ。それで映像出力したほうがいいよ」って。 Raspberry Piは2012年くらいからできたものらしくて、タイミングもよかったです。私が使い始めたのは2014年くらいなので。
*2012年にイギリスのラズベリーパイ財団によって、教育目的で開発された電子基板のこと。