立体感&透明感のあるキャラクターが面白い
福田:最新では、どういう作品を?
彌永:今考えているのは……。鉄格子の柵みたいなものがあるじゃないですか。あれよりもちょっと柔らかい素材があるらしくて。そこにロール状のものを買って組み込んだら大きく作れるかなと思うんです。それにモニターをはめ込んで、ちょっとオーロラっぽい素材で……というのをこの間考えていたんですけど。
福田:面白そうですね。描く中身の題材については、どういうところからインスピレーションを持って描いているんですか?
彌永:フレームを使っていた頃は、とにかく描きたいものを描いて、フレームを合わせて描くという感じでした。最近は、もう最初にモニターとRaspberry Piをつないで、それをコードの感じ、あるいは合体した感じを見て、物をいろいろくっ付けていって、側を全部作ってから中身、という順番です。その中に何があれば面白いかなという考え方で作っているので、当初とは順番が逆転してきたんです。だから、ちょっと紐っぽいものがあったら、ロープのようなものを描いてみたりして。福田さんが購入してくださった作品は、ひも状のグミなんですよ。
福田:面白いですよね。
彌永:そういう連想ゲームのような感じで。周りを作ってから中身です。
福田:形とか形状からのインスピレーションなんですね。でも、中には幼少期に見たアニメとか、そういうもののアイコンの作品もありますよね。
彌永:そういう作品もあります。ちょっとオーロラっぽい銀色のものがついた作品は、モニターと基板と布なんです。合皮なんですけど、縫いつけてみた感じがタイムマシンみたいだなと思って、「ドラえもん」の絵を描いてみたりだとか。
福田:なるほど。
彌永:キャラクターと言っても、そのまま描くのはちょっと違うなと思って、透明なキャラクターフィギュアとか、屋台で売ってる飴細工のキャラクターとか、そういうのがちょっと舐めて溶けた状態のものとか。透明感のある立体のキャラクターが面白いなと思いますね。パッと見分からないんだけど、よく見るとちょっとした特徴でキャラクターの像が浮かび上がってくるみたいな……。見て分からない人もいるんですよ。「え? これ何?」みたいな。説明すると「なるほど」となる、そういうのが面白いです。スケルトンの素材っていうのは、昔、スケルトンのゲームボーイが流行った時代があって。父のお下がりのiMacも半透明でした。
福田:あぁ、ありましたよね。